第23話 居場所を聞く

 シーナがそばで話していた二人組に声をかけた。


「そのミゲロという人物について教えて欲しいのだけれど、良いかしら」

「? それは構わないが。何を知りたいんだ?」

「そのミゲロという人物の居場所と、後異世界人の“マサト”について話を聞きたいの」


 それを話すとその男二人は呻いて、


「異世界人についての話は、前別の人間も聞いて来ていたが、ミゲロはそんなに話していなかったからな。約束だかなんだかで」

「もし知りたいなら本人に直接聞かないとダメだろう、ただその本人が何をやっているんだか」

「生きていればいいが、罠に引っかかったり色々な事情で何日も見かけなかったりしたからな。ま、今回もまたしばらくすれば戻ってくるだろうから待っていたらどうだ?」

「そうそう、伝説の武器があるとか言われている洞窟に行ったきりだからな」


 男たちが酒が入っているのか、そう言って笑う。

 どうやら戻ってこないのはいつもの事であるらしい。

 そのミゲロという人物は変わり者でもあるようで、そういうものだと周りは思われているようだ。


 と、シーナが何か気になることがあるらしく、男たちに再度質問をした。


「その伝説の武器とは」

「ん? ああ、その昔異世界人が作ったと言っている“なんちゃらカリバー”とかいう剣らしいぞ」

「“なんちゃらカリバー”?」

「“なんちゃらカリバー”、それがその名前だ。名前は適当だが、効果はてきめんらしい。なんでも切れるくらいよく切れるそうだ」

「……それを封じ込めるものの方が大変そう」

「そうだな。その剣の鞘の方が大変だといった話は聞いたことがあるな」


 といった話をしているが、やはり酔っているせいか話はそこまで進まない。

 そうこうしている内に、うどんも来たのでシーナが、


「そのミゲロさんを探してきたいので、ミゲロさんの持っているものを一つ譲ってもらえませんか? ここのうどんを奢りますよ」


 そう男たちに言って、以前おいていった置手紙……しばらく留守にするから、といったもの、それをもらったのだった。









 うどんに関しては俺たちの世界のものに似ていて美味しかった。

 また、ミゲロに関するものも手に入れて、これでミゲロに関しては探しやすくなった。

 他にミゲロのいなくなった場所などを聞き、俺たちは宿に戻る。


 暗いうちは危険だからだ。

 結局朝一で俺たちはそのミゲロのいなくなった場所に向かうことになったのだった。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る