第2話 効率チートを手に入れた

 ここで能力を選択する。

 それはそれでいいのだが、


「自分でどんな能力がいいか選べないのですか?」

『作れる能力に限界がありますから。出来るものと出来ないものがあるので、だったらあるもの~選んでもらおうかなと。それでも結構たくさんあるのですぐに選んでもらわないといけないのでこういう形に」

「すぐにって、どういうことだ?」

『周りにだんだん星が見えてきたでしょう? そして、遠くの方に光の塊があるでしょう? あれが私の世界“クローズアルカディア”なのですが……あそこに着くと、こちらからは特殊能力(チート)の付加ができなくなっちゃうんですよね』

「ええ! く、だんだん近づいてきているし時間が……」

『それでどうしますか?」

「選びます、それで。あと現地に着いたら、俺の能力の使い方とか世界の説明とかできる人を近くに置いておいてください!」

『それは大丈夫だよ、特定の場所に君も送る予定だし』


 そう声は言うので、とりあえずその話は置いておいて、その特殊能力(チート)を選ぶなにかはどこにと俺が思っているとそこで、


『では次の中から好きな色のボタンを押してください』


 と言って目の前に光の板のようなものが現れる。

 七種類ほどの色があって、とりあえず俺は黄色いものを選んだ。

 すると見たこともない文字なのに読めるという不思議な文字が書かれた光のピタが三つ現れる。


『あ、言語翻訳能力と、書ける能力はサービスだよ。後は身体強化関係もね。それでどうする~?』


 と言われたので三つの能力を俺は読んでいく。

 それらは、


・触れたものを金にする能力

・不死の能力

・効率チート


 俺はその三択を見て絶望した。


「効率チートしか選べないじゃないですか!」

『ん? どうしたの?』

「触れたものは金にって何も食べたり出来ないし、道具だって全部金になったら魔道具みたいなものも使えないのでは? 特殊能力(チート)があるんだから魔法ありのファンタジーなんですよね!?」

『あ~、一応食事は必要ないよ。食べても魔力に普通はなるだけだし。でもそういった問題があるわね。でも不死はいいんじゃない?』

「回復能力ってどれくらいなんですか。生きたまま延々と切り刻まれるのは嫌です」

『あ~、死んだら強制的に……その話はおいておくとして』

「なんですか、今何を言おうとしたのですか!」


 俺は聞いたが、その声は答えることはなく、そして、


「では効率チートということで」


 そこで俺は意識を失ったのだった。

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