第323話「愛人バリューセット」
「な、何で……桃井さんと委員長がここに?」
「えへへ、サクラに安藤くんがバイトしてるって聞いて、気になってきちゃった♪」
「安藤くんみたいな社会不適合者が抜き打ち査定に来てあげたのよ。クフフ……♪ 感謝してくれるかしら?」
「ありがとうございましたー。お帰りは回れ右でございます」
「「まだ注文すらしてないんだけど!?」」
「いや、朝倉さんから話を聞いたんなら、ストーカー事件も知っているよね……?」
「だから、サクラみたいに安藤くんのアルバイトが終わるまで待つなんてことはしないで暗くなるまでには帰るつもりだよー♪」
「それに、一人だと危険だと思ってわたしも桃井さんと一緒に来ているのだから、夕方の内に帰れば大丈夫でしょう?」
「まぁ、それは……」
(確かに、俺と姉ヶ崎妹のバイトが終わるまでいられると外は暗いし人もいなくなっているから危険だけど、夕方くらいまでなら外もまだ明るいし人もいるからそこまで危険ではないか……)
「本当に……暗くなるまでには帰ってよ……?」
「アハハ、安藤くんてば心配性だねー♪」
(でも、心配してくれるのは嬉しいねー♪)
「貴方はわたし達の父親か何かなのかしら……?」
(まぁ、心配されるのは悪い気分じゃないわね……)
「はぁ……」
(まぁ、仕方ないし……切り替えてささっと接客して帰ってもらいますか)
「それで、注文はお決まりでしょうか……?」
「わたしはまだメニューを見ていたいから、桃井さんからでいいわよ?」
「じゃあ、あたしから注文させてもらおうかなー♪」
(えへへ、どのメニューがカロリー少ないかなー?)
「いらしゃいませー、ご注文どうぞー」
「じゃあー、あたしはこの『ビックリ夕張メロンモックバーガー』のセットくださーい♪」
「セットのサイズはF――ゲフンゲフン! じゃなくて、Lサイズでよろしかったでしょうか?」
「何で自然と『Mサイズ』じゃなくて『Lサイズ』をチョイスしたのかな!?」
「え、だって……桃井さん、大食――」
ガシッ! ← 安藤くんの顎を桃井さんが掴む音
「んん~? 安藤くん、何かなー? 桃井さん『小食』だから、安藤くんの声が良く聞こえなかったなー?」 ゴゴゴゴゴ!
「いや、だから……桃井さんは大食――」
「あれー? 何故かなー? 安藤くんの声が良く聞こえないよー?」 ミシミシ…… ←安藤くんの顎が締め付けられる音
「あだだだだ!? ウソ! ウソです! 桃井さんは小食です! はい!」
「うん、そうだねー♪」
「じゃあ、あたしは『Sサイズ』のセットにしようかなー?」
「あ、Sサイズのセットは子供用の『パリピーセット』だけなんだよね……」
「そうなんだ……。じゃあ『Lサイズ』のセットにしようかなー?」
「やっぱり、大食い……」
「んんんー?」 ミシ……
「ハイなんでもないです! ドリンクの種類はナニニシマスカ?」
「ドリンクは爽健美茶かなー?」
(だって、爽健美茶って飲んだらカロリーゼロになりそうだもんねー♪)
「クフフ……♪ じゃあ、次はわたしの番ね?」
「ありがとうございましたー」
「まだ注文すらしてないわよ!」
「イラッシャイマセ……ゴ注文ヲシヤガレ……」
「このお店の店員はいつからできの悪いロボットを採用したのかしら……?」
(この男、どれだけわたしの接客をしたくないのよ……)
「クフフ……♪ じゃあ、おススメのメニューはあるかしら?」
「おススメのメニューね……」
(委員長にピッタリのメニューと言えば……)
「このダブルメロンバーガーのセットが、委員長にはピッタリのメニューだな」
「あら、美味しそうじゃない。じゃあ、それにするわ」
「Mサイズのセットでいいよな?」
「ええ」
「飲み物はアイティー?」
「もちろん」
「ガムシロップとミルクも無しでいいよな?」
「当たり前でしょう?」
(だけど、何でこのメニューのセットが、わたしにピッタリのメニューなのかしら……? まぁ、美味しそうだからいいけど)
「うぅー」
(安藤くんと委員長の分かり合っている感が凄くて……なんか、ズルい気がするよー!)
「じゃあ、お会計は……委員長にピッタリの『
「ぶっ飛ばすわよ!?」
(誰が『名無し』よぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!)
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回「バイトの敗北」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【グー】
「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」
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