第296話「無責任」


「センパイ、本当にすみません!」

「ねぇ、安藤くん……実際エアコンの手配って今からして間に合うのかしら……?」

「そうだな。委員長……一台だけなら普通は間に合うだけど、ここって学校だろ?

 エアコンの設置工事をする場合は学校から諸々の許可とか必要だから冬休み前に設置するとなると、一日しか工事の予定を入れられなかったんだよ……」


(平日は授業があるから無理だし、そうなると必然と日曜日の工事なるだろ? それで、文化祭後になると工事は十二月……そして、冬休み前のギリギリに設置だと不満が出るから必然と十二月の最初の週の日曜日しか予定が開けられていないんだよなぁ……)


「そうなると、今から手配して来週の日曜に工事は学校の許可とかあるし無理だな……」

「それは厳しいわね」

「アタシがちゃんと確認していれば……」

「安藤くん! ウチの妹がエアコンの手配を忘れたのはきっと、安藤くんの監督責任ですわ! よって、今すぐに何とかしなさい!」

「そんな無茶な……」


(しかし、エアコンが手配できないのはキツイな……。何がキツイって、どのクラスにエアコンを獲得しても設置ができないことで不満を持つ奴が絶対にいる点だよな。

 エアコンが無理だってなると絶対に新聞部の『ゲス谷砲』が炸裂すること間違いなしだし、それに連鎖して『反安藤政権』の奴らがまたリコールで騒ぐに決まっている。リコール要求されると先生達がうるさいから面倒なんだよな。まぁ、でも……

 最後に決めるのは――)


「じゃあ、姉ヶ崎妹。どうするよ?」

「へ、センパイ……あ、あたしですか?」


(そんな……マジで? そのぉ、いつもみたいに変なアイディア出して助けてくれたりとかぁ~キャピ?


「ちょっと、安藤くん! 貴方、何ウチの可愛い妹に全て押し付けようとしてますの!?」

「押し付けているのは姉ヶ崎先輩なんだよなぁ……」

「でも、安藤くん。流石にこの状況で姉ヶ崎さんに丸投げするのは……少し無責任じゃないかしら?」

「はぁ……委員長、何言ってんの? 別に、俺は意地悪で姉ヶ崎妹にぶん投げているわけじゃないから、いいか? 文化祭のミスコンに関しては今回姉ヶ崎妹に全部任せているんだよ。なのに、途中でトラブルが起きたから『お前には無理だ』って勝手に決めつけるのは――、

 その方が『無責任』だし、何より姉ヶ崎妹に失礼だろ?」

「センパイ……」


(アタシのことそこまで思ってくれて……)


「って、言いながら本当は早く朝倉センパイと合流したいだけじゃないんですかねぇ~キャピ?

「「安藤くん……」」

「あはは……そ、そんなわけなんだろう……?」


(コイツって、本当にそういうところだけは鋭いよなぁ……。まぁ、そんなコイツだからこそ、この程度のトラブルくらいなんとかできるとは思うけどな)


「大丈夫ですよ~♪ センパイの伝えたいことちゃんと分かりましたから……。

 だから、この程度のトラブルはアタシに任せてくださいキャピ!


(さっきの言葉……

『何より姉ヶ崎妹に失礼だろ?』

 センパイはちゃんとアタシを見てくれてるって知ってますからキャピ!


「まぁ、そもそも、そのトラブルを引き起こしたのはお前なんだけどなぁ……」


(まったく、本当にそういうところだけは鋭いよ……)


「あ! もちろん……センパイ達も手伝ってくれますよねぇ~キャピ!

「もちろんですわ! 可愛い妹のためですもの! ね、委員長さん?」

「え!? もしかして、これってわたしまで巻き込まれているの!?」

「はぁ、やれやれだぜ……」


(朝倉さんに待ち合わせ遅れるって連絡しないとだな……)


「それで、姉ヶ崎妹。これからどうするんだ?」

「センパ~イ♪ そもそも、ミスコンの優勝者が誰か分からなければ……エアコンなんていらないと思いませんか? 手伝ってくれるんですよねぇ~キャピ!

「……へ?」




『えー、棄権した生徒がいるため、以上八名が今回のミスコンを争う参加者です!』


「「「わぁああああああああああああああ!」」」


「…………」 ぷるぷる


(どうしてこうなった……どうしてこうなった! どうしてこうなった!?

 確かに、姉ヶ崎妹の言う通り、優勝が飛び入り参加の正体不明さん(俺)になればエアコンの件は誤魔化せる気がする……だけど、だからって俺が女装しなくてもいいじゃん!

 でも、アイツら……


『センパ~イ! 何言ってるんですか? センパイが女装するから意味があるんじゃないですかぁ~? アタシ達の誰かが変装したくらいじゃ『正体不明』とは言えませんし……それに、誰もセンパイが女装して参加するなんて思いませんよ♪

 大丈夫です! 絶対に、バレないように努力しますんでキャピ!

『プププ……安藤くん、良い様ですわ――っじゃなくて、ウチの可愛い妹のためにご苦労様ですわね……プププ。さぁーて、このわたくしが腕によりをかけて美しく仕上げてさしあげますわ♪』

『クフフ……安藤くん、とってもいい案だと思うわよ♪ きっと、今までのツケが待って来たんじゃないかしら……? さぁ、観念しなさい。まぁ、このわたしのメガネくらいなら貸してあげるわよ? クフフ……♪』


 ――ってな感じで押し切られ……姉ヶ崎姉妹と委員長はミスコンの参加を辞退し、姉ヶ崎妹のメイク技術と演劇部からパクったカツラと、姉ヶ崎会長のパッド技術に加え、最後に委員長からメガネと制服を借りて『謎の美少女A(安藤)』となった俺が欠員がでたミスコンに飛び入り参加するという事態になったわけだけど……


 ホントに俺『美少女』になれてんの!?


 アイツらメイクが終わっても『おおぉ~、これはこれは……』しか言わなくて最後まで鏡を見せてくれなかったから、どうなっているのか分からないんだよ!!)



『それではミスコン第一審査からはじめていきまーす♪』





【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪

 明日からはゴールデンウイーク! そして、次の更新は平成最後の更新ね。と言うわけで……

 さーて、次回の『何故かの』は?」



次回「第一審査」 よろしくお願いします!



「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 チョキかな?



    パーかも?



グーじゃない?




         パーだったりして……

















 本当は『グー』を出すかもしれないわよ……?


















【チョキ!】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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