第289話「巨乳の彼女」


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 今回のお話も本編とは関係のない『何故かの』(桃井さんルート)前回の続きです。ご了承ください。

 因みに、ツイッターのはエイプリルフールの嘘です♪


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 キーンコ~ンメロ~ン♪ キンコォ~ンメロォ~ン♪ ← チャイムの音



「はぁ、やっと放課後だ……。図書室の空気が落ち着く……」 

「……安藤くん。貴方もわたしと同じ図書室当番なんだから、もっとシャキッとしたらどうなのかしら……?」

「委員長、勘弁してくれよ……。委員長も同じクラスなんだから今日の俺がどれだけ疲れているか知っているだろ?」

「桃井さんね……」

「あぁ……」


(本当に今日は一日疲れた……。だって、今日は何か理由があるたびに桃井さんが俺を逃がさんとばかりに張り付いて来たからなぁ……)



『安藤くん。次は移動教室だねー♪ 一緒に行こう!』


『安藤くん、お昼ご飯だね! えへへ、一緒に学食で食べようかー?』


『安藤くん! さっきの数学の宿題だけど、良かったら教えてくれるかなー?』



(……いや、別に桃井さんが嫌だというわけではないんんだよ。むしろ、間近であの巨乳を拝めるのは至福以外のなにものでもないわけだけど……でも、やっぱり周囲の視線とか桃井さんにも気を使うから精神的に疲れちゃうんだよな……)


「はぁ……それに比べて委員長は何と言うか……気を使う必要性ゼロだから、落ち着くぜ……」

「クフフ……♪ 安藤くん。喧嘩を売っているのなら買ってあげるわよ……?」


(フン! まぁ、別に……安藤くんごときに気を使われても気持ち悪いだけだけどね……)


「でも、あの『桃井さん』と付き合っているんでしょう? 安藤くんごときが? そんなの光栄なことじゃない。なのに、何がそんなに気に入らないのよ」

「ねぇ、委員長……『安藤くんごときが』のくだり必要だった? いや、まぁ……委員長の言いたいこともわかるよ? でも、なんていうかさ……」

「何よ? 何か悩んでいるのなら相談くらいは同じ『図書委員』のよしみで聞くわよ」

「委員長、どうしたんだよ……。なんだか、やけに優しいじゃん」

「……ふ、フン! 別に、ただ安藤くんが横でため息ついていると、安藤くんの不幸がわたしにまで感染する気がするのよ」

「感染って……俺は一体どこの幻想殺しだよ……」


(そんな『不幸だー!』とか言いながらハーレム作るような男に見える? 俺なんかただの『レベル0ぼっち』だからね)


「フッ……ぼっちは『学校一の巨乳美少女』から告白なんてされないと思うわよ……?」

「いや、確かに、そうなんだけどさ……」


(でも、その告白っていうのがさぁ……)


「それで、いい加減何をそんなに悩んでいるのよ……。別に、桃井さんはおふざけで告白するような人でもないし、愚かな安藤くんが桃井さんに騙されているってわけではないと思うわよ?」

「だから『愚かな』とか、一言余計なんだよなぁ……。でも、そうなんだよ。今朝も桃井さんに『昨日の告白はおふざけでも冗談でもないからねー♪』

って、言われたんだけど……」

「何よ……。親切で聞いていればただの惚気話じゃない」


(やっぱり、安藤くんのことなんか心配するんじゃなかったわね……)


「でも、俺はそれでも桃井さんと『付き合っている』って実感できないんだ」

「……は? でも、告白はされたんでしょう?」

「あぁ……」

「そう……。ねぇ、安藤くん。貴方、前にわたしが言ったこと覚えているかしら?」

「なんだよ。前に言ったことって?」

「安藤くん。貴方……ちゃんと、コミュニケーションは取れているんでしょうね?」

「はぁ? 何言ってんだよ。いくら、俺がぼっちだからってコミュニケーションくらいできるからね?」

「そう……なら、一つテストをするわね。


 安藤くん、桃井さんに告白されて良かったわね? おめでとう♪」


「あ、ああ……ありがとう」

「ハイ、失格ね」

「何で!? ちゃんと、コミュニケーションとれてたじゃん!?」

「いい、安藤くん? 貴方が言っているコミュニケーションはうわべだけなのよ。

 だって、今の会話でわたしが本当に『おめでとう』って言ったか貴方は分かるかしら?」

「……は? それって――」

「クフフ……そうよ。


『ぼっちでコミュ障なのに、桃井さんみたいな人と付き合うなんて地獄ね。

 良い様だわ』


 ――って、わたしは心の中で思っていたのよ」

「よし、委員長! 今すぐ表に出ろ!

  ――って、そういうことか!」

「クフフ……。ようやく、わたしの言いたいことが分かったみたいね?

 さぁ、安藤くん。貴方が今からコミュニケーションをとるべき相手はわたしなのかしら……? それとも――」

「ゴメン、委員長! 俺……ちょっと、用事ができた!」

「ええ、分かっているわよ。安藤くん、これは貸しだからね?」


「ああ、サンキューな。委員長!」


 ガラガラ~!


「……はぁ、本当に何もわかってないんだから……あの男は」


(わたしが心から『おめでとう』なんて言うわけないじゃない……バカ)






「あーあ、失敗しちゃったかなー」


(正直、安藤くんに告白したのは早すぎたかな……)


「だって、安藤くんてば明らかに朝から、あたしのことを避けているもんねー」


(確かに、あたしは昨日告白して安藤くんからOKの返事をもらった。

 でも、それは無理矢理に返事を聞き出しただけで……そんなのあたしが一番嫌っている『偽物』なのかもしれない)


「所詮、あたしにはこんなやり方しかできないのかなー?」


(こんなので本当に『付き合っている』なんて言えるのかな……)


「桃井さん!」

「え、安藤くん!? ど、どうしたの? 安藤くんってたしか、今日は図書委員の当番だって――」

「うん、サボってきた!」

「え! さ、サボった!? どど、どうして……?」

「えっと……そ、それは、桃井さんに言いたいことがあって……」

「言いたいこと?」


(それって――)


「う、うん……」

「あ、そっか……」


(安藤くんのその言いづらそうな表情……つまり、別れ話だよね)


「ゴメン……本当はこんなこと……今更じゃなくて、昨日のうちに言うべきだったんだ!

 でも、俺……うやむやにしてた」

「安藤くん気にしないで……だって、悪いのはうやむやにさせたあたしだもん……」


(やっぱり、安藤くんは凄い……。だって、あたし達の関係が『偽物』だって気づいたんだから……安藤くんはあたしなんかと違って空気を『読まない』それは『読めない』のではなく、あえて『読まない』のだ。

 だから、この偽物の関係にも空気を読まずに、彼はそれを『否定』してくれるはず……)


「……桃井さん!」

「はい……」


(だって、あたしが好きになったのはそんな人なのだから……)


「好きです! 付き合ってください!」

「…………はぇ?」


(あっれぇー? おかしいよー? なんか、安藤くんにフラれると思ったら告白された気がするよー? というか、あたし達一応付き合っているのに告白って……)


「どどど、どういうことかな!?」

「……え? いや、よくよく考えたら、俺って桃井さんにちゃんと『好き』って伝えてないと思ったから……」


(委員長に言われてやっと気づいたんだよ! 何で俺が桃井さんと『付き合っている』か実感できなかったのか! それは――)


「だって、俺は桃井さんの好意にちゃんと向き合っていないんだ! だから、桃井さんを騙しているみたいで……自分に桃井さんと付き合う資格がないと思っていたんだ」

「そんな……。騙したのはむしろあたしの方だよ? だって、昨日も安藤くんから無理矢理返事をもらって――」

「桃井さん、それは違うよ」

「え?」


(俺は知っていたはずなんだ……。桃井さんが仮面をかぶっていることも……空気を読む人だってことも……そして、自分の気持ちを殺してでも空気を『読んでしまう女の子』だってことも……)


「だから、俺が気づかなくちゃいけなかったんだよ。いや、俺が気づかせなきゃいけなかったんだ。ねぇ、桃井さん……」

「あ、安藤くん?」


「この俺が、あの程度の状況で『空気を読んで』好きでもない相手の告白を受けるような『ぼっち』にでも見えるのかな?」

「…………アハッ! そういえば、確かにだよねー♪」


(そう、本当はあの時、俺は桃井さんに告白されて『嬉しかった』のだ。

 だけど、俺は『あえて』場の空気に乗せられたようにすることで自分の本当の気持ちから『逃げて』いた。

 それを、桃井さんが『無理矢理返事をもらった』と思い込むと知って……だから、俺は桃井さんに引け目を感じていた。

 俺を騙したと『思い込んだ』桃井さんを騙して彼女と『付き合ってしまった』のだから)


「だから、改めて俺の方から告白させてください。

 俺は、桃井さんが思っているほど誠実な人間じゃないかもしれない……」

「うん……アハハ、そうだねー♪」

「それに、こう見えてズルいし、卑怯だし、卑屈だし……正直、桃井さんのことも『おっぱいが大きくてエロい』ってよこしまな目で見てしまう!」

「ほぺぇ!? おお、おっぱぁー!?」

「でも、それと同時に一人の女の子として、桃井さんが好きだ!

 余裕な雰囲気だしているのに、胸の大きさを実は気にしちゃう桃井さんも好きだし! 自分をウソつきだと思っている桃井さんも魅力的だと思うし、意外と内面が大人な桃井さんが素敵だと思うし、桃井さんのおっぱいだって最高だし!

 それに……今日の桃井さんがとっても……か、可愛い……かった! です……」

「安藤くん……」


(……もう、安藤くんてば本当に意外とスケベなんだからねー……)


「だ、だから……そんな俺でも良ければ……好きです!

 桃井さん、俺と付き合ってください!」


(これで、俺はすべてをさらけ出したぞ!

 さぁ、桃井さんの返事は……?)


「うーん、ダメだねー?」

「……え」


(桃井さ――)


「安藤……アンアン? アーくん……うん、これだねー♪」

「え……え、え?」


(ちょっとまって……えっとー、その不吉な呼び名みたいのは何かなぁー?)


「えへへー、あたし達これから『恋人同士』になるんだから……『さん』づけなんて固いと思わないかなー?

 だ・か・ら……今日から『あだ名』で呼び合おうのはどうかなー?」


(桃井さん……。はぁ、良かったぁ~! 振られたかと思ったじゃん……)


「いやぁ~、でもその呼び方は少し恥ずかしすぎると言うか……」


(流石の俺も『ぼっち』から『バカップル』へのクラスチェンジはレベルが足りないんじゃないですかねぇ……)


「あたしは安藤くんのことを『アーくん』って呼ぶねー♪ だから、あたしにもピッタリのあだ名をつけてくれるかなー♪」

「そ、それは……また、今度で……」

「ブゥー! じゃあ、約束だよー?


 ……ね『アーくん』♪」


「う、うん……」



(この日……『ぼっち』の俺に巨乳の『彼女ヒロイン』ができた)





【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとうね。委員長よ♪

 さーて、次回の『何故かの』は?」



次回「文化祭」 よろしくお願いします!



「ついに六章、本編の復活よ♪  

 じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわね。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 グーかな?



    パーかも?



チョキじゃない?




         パーだったりして……

















 本当は『チョキ』を出すかもしれないわよ……?


















【チョキ!】


「クフフ……皆のコメント、評価、待ってるわね♪」


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