第277話「おっぱいウルフ」


「安藤、どうした? お前、何で『巨乳』ってのを否定しないんだ? もしかして、お前の『お題』は巨乳じゃないのか……?」

「っ!?」


(吉田の奴、俺が返事に詰まってるのを見て、悲しい真実に気が付きやがった!

 ヤバイ……このゲームは『嘘』は禁止だから下手な誤魔化し方はできない……。しかし、かといって素直に認めたらこの三バカ相手に速攻で負けるという切腹ものの汚名が――くっ! ど、どうすれば……)


「吉田ってば何言ってるんだよ?」


(そんなの『虚乳きょにゅう』に決まっているだろ?)


「それより、俺が気になっているのは、沢渡が嘘を言っているか全く判別できない点なんだけど……」

「ウェイ!?」

「ああ、そんなことかよ。いや、沢渡は……バカだからそもそも嘘なんかつけないだろ?」

「ウェェエーイ!?」

「がっはは! 安藤も吉田もなんだよ? 沢渡の言っていること分からないのか? そんなの簡単だろ! 俺はばっちり何て言っているかわかるぞ!」

「ウェーイ!!」

「沢渡、そうだな! 焼肉にはラーメンだよな!」

「ウェイ!?」


「「へぇー、山田は分かるのか……」」


((バカ同士で気が合うんだろうな))


「じゃあ、安藤。沢渡のことはそんな感じでいいか?」

「うん、いいよ。なんか、たいして問題にならなさそうだし……」


(あと『巨乳』の件から話をそらせたからな……)


「じゃあ、話を続けるけど……」


(しかし、問題は多数派のお題が『誰』なのか? だよなぁ……。自分が少数派だと分かったところで多数派のお題が分からなければ話を合わすことができなくて負けてしまう。

 一応、多数派のお題として怪しいのは……『美少女』つながりで『桃井さん』か? しかし、お題を考えたのは石田だというのを考慮すると『藤林さん』という可能性も十分にありうるんだよなぁ……。だって、あいつ何気に『彼女バカ』だし……。

 とりあえず、この線で探ってみよう)


「えっと……俺は『お題』の人物とはよく話すけど、吉田達はどう?」


(このお題、多数派は十中八九『桃井さん』か『藤林さん』だ。だとしたら、この質問の反応でどっちかが分かるはず! 俺の場合はどちらともクラスや生徒会で関りがあるから、発言に不自然なところはない。


 そして、吉田達の反応が『よく話す』ならクラスメイトということで『桃井さん』

 逆に吉田達の反応が『あまり話さない』なら生徒会関係ということで『藤林さん』


 という推測が成り立つ! さぁ、吉田達の答え……は?)


「俺は……話したことないな」

「ああ! 俺も無いぞ!」

「ウェーイ!」

「あ、やっぱり? 同学年でも生徒会関係じゃないとあまり話さないよね」


(よし、間違いない! 多数派のお題は『藤林さん』だ! 生徒会で『巨乳』と言ったら彼女しかいない!)


「よし、十分経ったぞ。じゃあ、皆は『ワードウルフ』だと思う人を指名してくれ」


(ふぅ、何とか無事にボロを出さずに乗り切れたな……。指名は適当に吉田でいいか)


「吉――」


「「「安藤ウェーイ!」」」


(――って、何ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?)


「フム……安藤に三票か。まぁ、あの会話ならそうだな。じゃあ、安藤のお題を確認するぞ? うん、安藤のお題は『朝倉さん』だ! つまり、吉田くん達の勝ちだな」

「ちょっと待って! 何で俺が『ワードウルフ』だって分かったの!?」

「何でって、安藤。そりゃ会話の内容に決まっているだろ? いや、確かに生徒会関係だけどさ……」

「安藤ってば思いっきり変なこと言ってたよな! だって、安藤がこの人と関係あるわけないもんな!」

「ウェーイ!」


(嘘だろ……? まさか、多数派のお題を読み違えたのか? でも、生徒会関係で他に『巨乳』なんて――)


「おい、石田! 吉田達、多数派のお題は何だったんだよ!?」

「フム、吉田くん達のお題はこれだ!」



お題【元生徒会長(姉ヶ崎先輩)】



「てめぇえら! これのどこが『巨乳』だ! コラアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「え、安藤。お前どうしたんだよ?」

「どう見ても前の会長は『巨乳』だろ!」

「ウェーイ!」

「石田ぁぁああああああああああああああああああああああ!?」

「なんだ安藤! 血迷ったか!? 姉ヶ崎前会長はどう見ても巨乳じゃないか! それに、お題も2年生の中で一番有名な『朝倉さん』と三年生の中で一番有名な『姉ヶ崎会長』という『美少女』同士で実にいい調整具合を――」


「いいぜ石田ァアア! テメェがそう言うなら、まずはそのふざけた幻想おっぱいをブチ殺す!」


 スカァーンッ!




【次回予告】


「何も生まない悲しい戦いだったわね……。

 皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪


 そういえば、そろそろ『何故かの』2巻の表紙が発表されるんじゃないかしら?

 MF文庫Jの公式更新日は5日だから明日あたり表紙が公開されるかもしれないわね? 気になる人は作者のツイッターをチェックしてね♪


 因みに、270話で出した『表紙を飾るキャラ予想』も絶賛受付中よ♪

 コメント欄に表紙になるキャラを書いてね。見事当てた人にはそのキャラから一言コメントが来るわ。クフフ♪


 というわけで、2巻も宜しくね♪ 発売まであと三週間よ。

 予約がまだの人は是非、書店での予約をお願いね? 予約する時は下の画面を店員さんに見せれば簡単よ。


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*本書を書店にてご注文の方はこの画面を店員さんにお見せください。


タイトル

【何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 2】


作者【出井愛】


レーベル【MF文庫J】


出版社【KADOKAWA】


発売日【2019年3月25日】


ISBN

【9784040656656】






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 それと、2巻発売前の一週間18日から25日の間は『何故かの』を毎日更新する予定よ。

 一話の文字数は少なくなるかもだけど、毎日『何故かの』が読める何故かのウェーク! 『委員長の話が読みたいです!』とかのコメントも募集中だからよろしくね♪ クフフ……


 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「女子会Ⅱ」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ。出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ? 

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 



 グーかな?



    パーかも?



パーじゃない?




         パーだったりして……

















 本当はグーを出してくるかもしれないわよ……?


















【チョキ!】


「皆のコメント、評価、待ってるわね♪」



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