第247話「揺れる悩み相談」



 ビッグバァーン! ビッグバァーン!


「…………」 ピキュィーン! 


(この音は……)


「桃井さん、何かようかな?」

「安藤くー♪ って、何で今、あたしが後ろから肩を叩く前に振り向いたのぉー!?」

「えっと……か、勘かな?」


(桃井さんの特大メロンの音がしたからなんて言えない……)


(ふぅーん……。まぁ、いいけどぉー?)


「はぁー、それより桃井さんはこの通りお疲れだよー」

「桃井さん……大丈夫? 俺でよければ悩みくらいは聞くけど?」

「安藤くん、ありがとうねー。ほら、もう直ぐ『クリスマス』じゃない?」

「クリスマス……滅べばいいのに……」

「安藤くん、安藤くん……それ『彼女持ち』がする反応じゃないからねー?」

「ハッ! そうか……俺、今年は朝倉さんって言う『最高の彼女』がいるんだった!」

「アハハ……安藤くん、ブン殴ってもいいかなー♪」


(なんだろう……これ、最高に『イラッ!』っと、来るよねー♪)


「ゴメン、ゴメン……それで、桃井さん。そのクリスマスがどうしたの?」

「いやー、もうそういう時期だからねー? 皆から頼られる桃井さんとしてはクラスの女の子達から『そういう相談』が増えるわけですよ……」


(もう本当に最近そういう相談が多いんだよねー『クリスマスまでに彼氏が欲しい!』とか『気になる人をクリスマスデートに誘いたい』とか『どうすればそこまで巨乳になるの?』とかねー)


「あぁ、なるほど……。でも、そういう相談って朝倉さんには来ないの?」

「サクラはダメダメ、サクラにそんな相談をしようものなら、安藤くんのノロケ話を数時間以上聞くことになるのは既にこの学校の女子では周知の事実だからねー?」

「…………」


(え、なにそれ……周知の事実というより、むしろ『羞恥の事実』じゃねぇの……? てか、朝倉さんは一体何を話しているんだろう……)


「桃井さん……大丈夫? 俺でよければ悩みくらいは聞くけど?」

「お、安藤くん、今の会話を無かったことにしたねー?」


(なにも、前の会話まで撒き戻らなくてもいいのにねー)


「桃井さん……大丈夫? 俺でよければ悩みくらいは聞くけど?」

「……うん、わかったから。もう、蒸し返さないからねー?

 でも、悩みを聞くと言っても他の子の相談を言うわけにも……」


(そうだ! せっかくの機会なんだし……少しくらい、いいよねー♪)


「じゃあ、一つ相談に乗ってもらおうかなー?」

「うん、まぁ……俺なんかで役に立てればだけどね」

「えっと……ね? これは、あたしが今一番困っている『相談』なんだけど……」

「ふむふむ……」


(つまり、桃井さんに持ち込まれた厄介な悩み相談の一つか……)


「その子は最近ねー『気になる男子』ができたんだってー」

「へー……」


(なるほど、恋の悩み相談ってやつか……)


「でも、その男子はその子の『親友』の『彼氏さん』なんだって……だから、その子はその男子を気にしないようにしているんだけど……ついつい、気になってちょっかいも出しちゃうし……でも、親友を裏切りたくないからどうしよう? って、相談なんだよねー」

「ふーん……」


(まぁ、ラノベでも良くある展開だよなぁ……)


「ねぇ、安藤くんはこの『悩み』をどうしたらいいと思うかなー?」

「別に、どうしなくてもよくない?」

「ふへぇ……?」


(安藤くん、それは……どういうことかなー?)


「いや、だってさ……別に、その子って親友と彼氏の仲を引き裂こうとか行動しているわけじゃないんでしょ?」

「う、うん……」

「なら、いいじゃん。そんなの『気になる』とか人の感情なんて自分でコントロールするなんて無理なもんだよ。俺は『好き』になったものは仕方ないと思うよ? 大切なのはその気持ちを『受け入れること』なんじゃないかな? 受け入れた上で親友とその男子を見守りたいなら身を引けばいいし、それでも『気になっちゃう』『好きになる』っていうのなら、その男子に『アピール』や『気持ちを告げる』なりの行動をすればいいと思うよ」

「え、でも……それで親友との仲が拗れちゃったら……」

「それはその時なんじゃないのかな? それで、拗れるならその程度の『友達』なんだよ。逆に本当に『親友』ならそれで拗れるなんてないかもしれないじゃん?

 それに……俺はそれがどんな結果になろうと何もしないで悩むよりはマシだと思うよ? 気持ちってずっと抑えてたら、いずれ絶対に『後悔』するよ……。だから、どうせ後悔するなら、その男子が振り向いてくれる可能にかけてアタックしてもいいと思うし……それに、例えどんな結果になっても『選ぶ』のはその女子じゃなくて『男子』の方だよね? なら、責任は全部その男が悪い!」


(そもそも、何だよその『クソハーレムラノベ主人公野郎』は!? そんな彼女いるくせにほかの女子にも色目を使うような最低野郎が全部悪いに決まってる!)


「アハ……アハハ! 安藤くんってば……もう、本当に最高だねー♪」

「え……そ、そう?」

「うん! 安藤くんのおかげで『一番の悩み』が軽くなったかも♪」

「まぁ、それなら良かったよ……」

「じゃあ、これはそのお礼だねー♪」

「え、桃井さ――」


(なんだ! 桃井さんの顔が急に近づいて……まさか、キ――)


「安藤くん……『あ・り・が・と・ねー』……テヘ♪」

「桃井さん……ビックリさせないでよ」


(なんだ……耳元で囁かれただけか……しかし、今俺の耳元で囁く際に軽く桃井さんの特大メロンが押し付けられたような感触が――)


「じゃあ、安藤くん! あとは『頑張って』ねー♪」

「え、頑張って……何が?」


 スカァ~、スカァ~……


「…………」 ピキュィーン! 


(この空気を切る音は……)



「ぅぁあー……んー……どぉーーくぅ~ん……っ!?」 ズゴゴゴゴゴ!


「朝倉しゃん……ま、まさか……今のを見て……?」

「あらあら……安藤くんってば、私がいない隙にモモが安藤くんのほっぺにキスをしているように見えたのだけど……あれはなにかしら……?」

「朝倉さん! あ、あれは……違うよ! ねぇ、桃井さん!?」


「うーん……あたしは安藤くんが悪いと思うけどねー♪」


「何でだぁああああああああああああああ!?」

「安藤くん……説明してもらうわよ? ウフフ……♪」






【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 安藤くん、自業自得ね……。

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「誰でしょう?(予想してみてね♪)」 よろしくお願いします!


「クフフ〜、分かってるわよ。妹ちゃん、桃井さんと来たら当然次は……ね?

 じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私はいつもどおり【ー】に決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 




































【パー】


「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」


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