第236話「女子トーク」



「もう! もう! もう! 私の話はお終い! お終い! お終いなの! ほら! 桃井さん! 次の話を振って!」 バルンバルンバルン! ← Dカップがあらぶる音

「うん! じゃあ、藤林さんは石田くんを連れ込んで何をしているのかとかかなー?」

「私の話じゃなぁーーい!」


(大体! 私が石田くんを家に連れ込むのは、石田くんがヘタレすぎて……誰もいない場所じゃないと『好き』って口に出してくれないからだよぉお!)


「私、藤林さんが怒った所始めてみたわ……。あの藤林さんを、ここまで荒れさせるなんて……モモ、やるわね!」

「……彼女、怒るとああなるのね」

「藤林先輩の胸が……すごいです!」

「アハハ~! マジで乱舞みたいなぁ~キャピ!

「……くっ! この早坂に見せ付けているというのですか!」


(この腐D林ふじばやしが……!)


「じゃあ~、藤林さんの話は第二回に取っておくとしてー、次は誰の恋バナを聞こうかなー?」

「はぁ、よかった。やっと、私の話題から解放……ちょ、ちょっと待って! 桃井さん!? 今の言葉はどういうことかな!?」


(この女子会、第二回もあるの……?)


「じゃあ、次は……委員長だよー!」

「はぁあ!? ちょっと、桃井さん! わたし、恋バナなんて……そんなの無いわよ?」


(わたしは藤林さんみたいに哀れな犠牲になるつもりは――)


「ふーん? そっかぁ~、委員長は恋バナのネタはないのか……。藤林さんでさえあるのにねー♪」


「「「「――ハッ!?」」」」


((((それはヤバイ……!?))))


「ちょっと、桃井さぁあーーん!? そそ、それはどう言うこと……かな? かな!? って、何で皆も『ハッ!』っとした顔しているのぉーーっ!」

「……ん? んん?」


(モモも、藤林さんも何の話をしているのかしら……?) スカ~ン? ← 強者の余裕がにじみ出た擬音


「じゃあ、委員長は恋バナのネタは無いみたいだから次の人に――」

「桃井さん、待ってくれるかしら! クフフ……このわたしが藤林さんでさえ持っている恋バナを持っていないわけがないでしょう……? いいわ、貴方がそこまで言うのなら、私の恋バナの一つや二つくらい語ってあげるわよ!」

「おぉー! 委員長、いいねー! じゃあ、その意気でどうぞー♪」

「だから、委員長さーん!?『私でさえ持っている』ってそれどういう意味かな!? かな!」


(くっ……なんか、藤林さんが騒いでいるけど、今はかまっている場合じゃないわ! このままでは女子として『藤林さん以下』のレッテルを貼られてしまう……! でも、わたしに恋バナなんて――そうだわ!)


「あれは、わたしが高校に入って直ぐのことだったかしら……?


 高校に入ったばかりのわたしは土地勘が無くて、軽い迷子になったことがあるのよ。

 でも、高校生にもなって交番に行くのも恥かしいし、どうしようかしら? って、思った時……ある本屋さんを見つけてたのよね。

 それで、そのお店の人に道を訪ねたんだけど……お店の人は気前よく道を教えてくれたのよ? でも、その人の伝え方が問題だったのよね。いかにも地元の人なら知っている! みたいな目印や場所とかを交えて教えてくるわけよ……。

 もう、教えてくれる手前『もっと簡単にお願いします』とか言える雰囲気じゃないし、でも、お店の人に案内してもらうには距離がありそうで本当にどうしようかと思った時に――、

 一人の男の子が声をかけて来たのよ。


『えっと……よければ俺が案内しようか?』てね?」


「キャァーッ! 委員長何それー!? すごいキュンキュンしちゃう展開だよー! え、それで? それで? その後の展開はどうなったのー?」

「桃井さん、別に特別なことはないわよ? ただ、二人でまだ詳しくない街中を案内してもらったわ……。今になって思えば、あれはデートだったんじゃないかしらね……」


(これで、私にも恋バナの一つくらいあるのが証明されて、藤林さん以下の女子力のレッテルを貼られることは回避できそうだわ)


「なれない土地で知らない男の子とデートだなんて……まるで、少女漫画の世界みたいですね! 委員長先輩♪」

「てか、その男の子って絶対に委員長センパイをナンパする目的だったんじゃないですかぁ~キャピ!

「姉ヶ崎さん、そんなふうに言ったらダメだよ……ね? もしかしたら、純粋な好意で声をかけたかもしれないんだから……ね?」

「どちらだとしても、自発的に声をかけたと言うことはフラグが立った事に変わりはないと早坂は思います」

「委員長、私もそれは素敵なお話だと思うわ! 因みに、その男の子はそれ以降は会ったりしているの?」

「え? ああ……朝倉さん、残念だけどその男の子とはそれっきりで、会ったことがないのよ……」


(まぁ、本当は――その『男の子』ってのが『安藤くん』で、偶然にも翌日に同じ高校の図書室で再会して『読書仲間』としていい友達になれそうと思った次の日には……『読書性の違い』で一瞬のうちに対立し、それ以降は顔を合わせるたびにお互いをディスるような関係になって今に至る訳だけど……なんて、絶対に言えないわ!)




【次回予告】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪

 この女子会、流石に長すぎじゃないかしら……?

 さーて、次回の『何故かの』は?」


次回「女子会4 ~真のリア充~」 よろしくお願いします!


「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私はいつもどおり【グー】に決めてるわ。じゃあ、いくわよ?

 ペタペタ・ペタりん♪  じゃん・けん・ポン♪」 




































【グー】


「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」

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