第216話「コード・レッド」
「デートっていうから何を要求されるかと思ったら、映画か……」
(正直、アニメ以外の映画は今何がやってるのか、全然わからねぇな……どれどれ? あ! 『金魂』の実写映画やってるじゃん!)
「ねぇ、お前らが見たい映画ってどれなの? もしかして、このき――」
「それが、今の時期だといろいろ面白そうなのが多くて迷っちゃうんだよね~。お兄ちゃんは知らないと思うけど、私は『青冬』とか『コード・レッド』かな。姉ヶ崎さんは?」
「う~ん、アタシは『イージー・ミッション・ポッシブル』とか……あと、安藤さんと同じで『コード・レッド』も気になりますねぇ~?」
「じゃあ『コード・レッド』にする? 姉ヶ崎さん♪」
「そうですねぇ~、安藤さん
「「決まり~、イエーイ!」」 スカァーン! ← ハイタッチする音
「お前ら、本当いつの間にそんな仲良くなったんだよ……」
「お兄ちゃんは分かってないな~、女の子は秋の空と同じなんだよ?」
「そうですよぉ~? センパイは本当に分かってないですねぇ~
「「アハハハ~♪」」
((この女……結構本気でハイタッチしてきやがった!))
「もうじき、秋じゃなくて冬だけどな……それより、コード・レッドって有名なの?」
(俺、それがどんな映画か知らないんだけど……)
「「うぇえええええええええ!!」」
「お、お兄ちゃん! コード・レッド知らないの!? あの連続人気テレビドラマの映画化作品だよ!?」
「せ、センパイ……コード・レッド知らないってマジですかぁ~? 主演の川下智久なんてシャイニーズの超人気アイドルですよ!」
「まったく知らん」
「ありえない……毎週、私がリビングで見てたじゃん!」
「いや、だって、俺……お前がテレビ見てる時は自分の部屋でラノベ読んでるし……」
「センパイそれ、マジありえないです……。コード・レッドが知らないで許されるのは幼稚園までですよ?」
「その言い方、なんか凄い傷つくから止めてくれるかな!?」
(しかし、連ドラの劇場版かぁ……それって連ドラを見てない俺でも楽しめるのか?)
スカァ~~♪ ← 映画の上映が始まる警告音
『NO・MORE・映画怪盗!』
【コード・レッド】あらすじ
西暦XX15年 地球で『セカンド・コード・インパクト』と呼ばれる大爆発が起こり、全人類のおよそ八割は人の形を捨て『命の水』と呼ばれる赤い液体に還り、魂だけの状態になった。
その『コード・インパクト』により全ての海が赤く染まり、青く美しかった地球は過去となったのだ。
しかし、残った人類の中でその青く美しい地球を取り戻そうとする男がいた。
スカペタ♪ スカペタ♪ ← 機械の警告音
「マギーシステムに反応あり……コードレッド! 間違いありません。
「チーム、ドクターアダム。出撃要請です!」
「……直ぐに出るぞ!」
「はい、愛沢先生!」
海洋生態系返還研究機構。通称『ネレフ』とは『命の水』に帰った人々の魂の中から、生きたいという自我を持った魂、通称『死人』を見つけ出し、その魂にリビドーの力を分け与え人の形に返還させる組織である。
彼らの目的は、いずれ『命の水』に還った全ての人類を取り戻し……そのついでに、地球を青く正常な状態に戻して、皆が好きだったお魚料理を食卓に取り戻すことなのだ。
「愛沢先生。もう直ぐで死人の反応があったポイントです……」
「旧人類が『生命の里』と『知恵の山』を使って引き起こした『セカンド・コード・インパクト』……この赤い海の中に必ずアイツはいるはず……」
「確か、愛沢先生が『ネレフ』に入ったのは……『その人』を見つけるためなんですよね?」
(その人は……愛沢先生にとって大切な人なんですか? なんて、聞けないや……)
「ああ……アイツは俺が必ずこの地球に返還させて見せる!」
(……山田! お前に貸した五千円、必ず利子つけて返してもらうからな!)
「愛沢先生、死人のポイント見つけました!」
「よし、死人の返還作業に入る。エラァの準備をしてくれ!」
「はい!」
(汎用エラ呼吸型決戦兵器、人造人型魚類エラァンゲリオン。通称『エラァ』……ゲヒルが命の水に還った人類を人に戻すために作られた生命の里を旧人類がコピーして作ったと言われる旧文明の遺産……頭が魚で体が人間なんて、何でこんなキモいデザインにしたんだろう……)
「エラァ初号機投下!」
「MTフィールド全開!」
「エラァ初号機投下、活動限界です! エラ呼吸ができません!」
「拘束具をエラァが自ら剥いでる!」
「拘束具!? ウロコじゃないんですか!」
「そうよ……あれはエラ呼吸するためのウロコじゃないの……エラァの力を押さえ込むための拘束具なのよ!」
「この反応はまさか……『サード・コード・インパクト』か!?」
「おお、これで目的の『魚類補完計画』が実行され『ヤフの扉』が開かれ、我ら『ゲヒル』はお魚天国に導かれるのだ!」
「変わらないね……君は」
「今度こそお前だけは……」
END
「…………何、あの映画!?」
「ひゃ! お、お兄ちゃん、どうしたの?」
「ちょっと、センパ~イ。まだ、上映終わったばっかりなんだから、騒がないでくださいよぉ~」
「いやいやいや! 俺だって上映中はツッコミたい気持ちを抑えてたけど……なんだよ! あの映画は!? 連ドラの劇場版っていうには内容が全く頭に入ってこないくらい意味不明の連続だったぞ! 逆に、お前らはあの映画の内容理解できるの……?」
(冒頭で世界観の説明とか、ドラマのあらすじとか流れたけど……それでも意味不明だったし……いや、ドラマを最初から見てる人間にはちゃんとストーリーが分かるのかも――)
「映画の内容……? うーん、主演の川下智久がカッコよかったかな?」
「アタシはー? 助演の池田斗真もよかったですねぇ~♪」
「俳優じゃなくて映画のストーリーの話だよ!」
「「いや、ストーリーは興味無いし、そもそも、ドラマ見てても意味不明だったから」」
「何それ!? 何でそれで、この映画を見ようと思うんですかねぇ……」
「「だって、出てくる俳優がイケメンだから」」
「まさかのストーリー全否定!?」
(てか、個人的には謎ばっかり残って不完全燃焼なんだけど!
なんだよ『第3新群馬郡』って! 1と2は何処いったの!? そして最後に出てきた『魚類補完計画』って結局は何なの! お魚天国くらいしか分からないよ! 大体、主人公が乗っていた『エラァンゲリオン』って何さ! ロボットなの? 生きてるの? 何で暴走したの!? それに『MTフィールド』も何かよく分からないし……もうあのバリアだけで十分じゃん! それにラストのよく分からないデカイ天使が倒れたあとに、男二人だけが生き残って、おそろいのパンツを履きながら朝の通学路を逆送してたのはどういうこと!?
でも……面白かったです! チクショォオオオオオオオオオオオオオオ!)
「第二部は来年の春公開予定か……」
「お兄ちゃん、すかっりハマっちゃったね……」
「センパイ……。よければ、お姉ちゃんがドラマ全部録画してるはずなんで、お貸ししましょうか?」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ♪
Wデートとはなんだったのかしらね……。
さーて、次回の『何故かの』は?」
次回 「まごころを、妹に」 よろしくお願いします!
「じゃあ、いつもの『ペタリンじゃんけん』を始めるわよ! 出す手は決まった? もちろん、私は決めてるわ。じゃあ、いくわよ?
ペタペタ・ペタりん♪ じゃん・けん・ポン♪」
【パー】
「皆のコメント、評価、待ってるわ♪」
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