第147話「ミスター・ゲス野郎」



「俺は~ぼっち♪ 今日も一人でぇ~ぼっち飯♪ 昨日もぼっちぃ~♪ 今日もぼっちぃ~♪ 明日もぉ~ぼっちぃ~飯♪」



「いいからそのカメラを渡せ!」



「ん?」


(昼休みだって言うのに揉め事か? 朝倉さんが用事で忙しいから、一人でぼっち飯でもするかと陽気に自作の『ぼっち賛歌』を歌っていたら、人気のいない階段で副会長が誰かと言い争いをしているぞ?)


「…………」 チラ?



「学内でのカメラの個人的な使用は許可されてない! その写真は盗撮と同じだ! だから、生徒会として僕が没収する!」

「嫌でゲス! これは僕チンが正式な新聞部の活動として撮った写真でゲス! 例え、副会長相手だとしても断固拒否させてもらでゲス!」



「…………」


(あれは――石田と一緒にいるお笑いタレントの『明石家いわし』にそっくりな見た目の男は……新聞部の部長、ミスター・ゲス野郎こと通称『ゲス谷』じゃないか?)


「新聞部の部活動だと? ふざけるな! 生徒会は個人のプライバシーを守らないような部活動は認めていない!」

「新聞部のジャーナリズムは真実を全ての生徒に知らせる義務があるでゲス! その為には時として個人のプライバシーなんて小さい犠牲は仕方ないでゲス! それに、個人のプライバシーとカッコつけていますでゲスが……これは副会長が自分を支持してくれる生徒を騙していた証拠でゲス! 僕チンには新聞部としてこの事実を学校中の全生徒に知らせる義務……いや、使命があるでゲス! ゲェーース、ゲスゲス!」

「くっ……流石は一度耳に入った噂は嘘か真かも確認せずに、大阪と群馬のオバちゃんをも超える情報伝達のスピードで学校中を駆け巡る言われる新聞部の部長だな……」

「ゲェーース、ゲスゲス! 褒めてくれてありがとうでゲスゥ~♪ そのセリフは僕チンにとって最高の褒め言葉でゲスね。僕チンは君達みたいなリア充が悔しがったり、嫌がったりする様を見るのが最高に楽しいんでゲスよ!

 ゲェーース、ゲスゲス!」


「…………」


(新聞部のゲス谷、噂には聞いていたが想像以上のゲス野郎だな……しかし、副会長が生徒を騙していた証拠だと……? それは本当なのか? 本当だとしたら石田の支持率を下げる最高のネタなんだけどな)



 スカ~ン♪ スカ~ン♪ ← 安藤くんのスマホの着信音



『!?』


(し、しまった! この音は朝倉さんからのメール……こんな時にマナーモードにし忘れていたなんて!)


「だ、誰だ!?」

「そこに、誰かいるでゲスか!?」


(くっ……仕方ない、ここは――)


「ぐ、グンマ~~」 ← 安藤くんの鳴き声


「フン、なんだ野生のグンマ県か……」

「ビックリしたでゲスね。一瞬、誰かに盗み聞きされたかと思ったでゲス」


(よし、何とか誤魔化せたな!)


「「――って、そんなので騙される(でゲス)か!」」


「ですよね~」

「貴様は、安藤!? クソ、何でお前がこんな所に……」

「うるせぇ! 一人でぼっち飯決めようとしてたところに居合わせたお前が悪いんだからな!」

「ゲェーース、ゲスゲス……これはこれは、生徒会長選挙に立候補してる安藤くんじゃないでゲスか……ちょうどいいでゲス。実は副会長が僕チンのネタを生徒会の権力を使ってもみ消そうとするんでゲスよ。どうか、僕チンに協力して欲しいでゲス。実は、安藤くんにもインタビューをしたかったんでゲスよ……」

「インタビュー? 確か、副会長が生徒を騙しているとか言ってたけど……別に俺は石田のことなんて興味も無いし、全然知らないぞ?」

「ゲスゲス……そんなこと無いでゲスよ。それに、これは君にも利がある話でゲス……僕チンの記事が出来れば副会長の支持は下がり、安藤くんの支持も上がるでゲスよ?」

「何? 因みにインタビューって――」


「くっ……おい、安藤! そいつの話を聞くな!」



「ゲェーース、ゲスゲス……インタビューの内容はズバリ『副会長の石田くんと、書記の藤林さんの熱愛疑惑!?』でゲスよ」







【特別企画】


「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。

 さーて、今回は次回予告の代わりに皆に特別企画を出すわよ。

 そろそろ、この『何故かの』第四章も終わりが近づいてきたわ……

 っと、言うことで!


 ズバリ――『生徒会長になるのは誰でしょう?』


『生徒会長になると思うキャラ』と『書いてほしい話のリクエスト』を応援コメントに書いて応募してね♪

 期限は作中の生徒会長が判明するまでよ! 四章が終わった後は【番外編】を何個か書く予定だけど、その中の一つを正解者の『書いてほしい話のリクエスト』の中から作者が適当に選ぶわ。あ! そうそう……ちなみに、私は性格がとーーーーっても良いから、特別に生徒会長になるキャラのヒントを教えてあげるわ!

ヒントは……『ス○ー○』よ♪ 是非、参加してみてね~♪」



* 委員長のヒントは嘘になる可能性もあります。





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