第14話「夢」




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「そ、その……あの時の言葉とかさっきのは全部違うから」

「うん……」

「で、でも……私『ライトノベル』は好き」

「うん!」



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「……また、この夢だわ」


(今のはこの前この部屋で安藤くんとした会話……今見たのは夢だけど、この内容は夢じゃないのよね!)


 私はついに安藤くんに自分のライトノベルが好きだという気持ちを伝えたのだ。その際に勢いに乗ってよけいな事まで伝えてしまった気もするけど、思いを告げられた今となってはどうでもいいことだ。


「これで、次に会う時は好きなだけ安藤くんとラノベの話ができる!」


(って……はずだったのに)


 現在、私は自室のベットで横になって眠っていた。


(何で、風邪なんか引いちゃったのよぉおおおおおおおおおおおおお!)


「でも、寝てたから熱は結構下がったみたいね……この調子なら明日は学校に行けるわ!」


(そしたら、明日こそ安藤くんと――)


「起きてる~? 具合はどうかしら?」


 すると、私の部屋を叩きながらママが部屋の中に入ってきた。


「ママ、うん、大丈夫。寝てたら熱は下がったみたい」

「あらーそう……じゃあ、これで明日は安藤くんに合えるわね~~」

「っちぃお! な、何でそこで安藤くんが出てくるのよ!」

「あらあら~~そんな誤魔化さなくてもママは分かっているんですからね~~」

「何も分かってないわよ! 止めてよね! べ、別に安藤くんはただの友達であってそんな私が好意を抱いている相手とかじゃないんだから!」

「あらあらあら~~ウフフ」

「ママ、何よ……?」

「ママは別にお友達に会えるから良かったわね。って、意味で言ったのだけど……それが何で『好意を抱いているうんぬん』の話になるのかしら~~?」

「ふなっ! そ、それは……」

「あらあらあら……」

「う、うるさーい! もう、ママは出て行ってよ! 風邪がうつるでしょ!」

「ママは大丈夫よ~~でも、お友達がお見舞いに来たら風邪をうつしちゃダメよ? そんな風に怒鳴っちゃうとうつるかもしれないからね?」

「大丈夫よ。風邪くらいでお見舞いとか誰も来ないから。それにお見舞いとか恥ずかしいわよ」

「あらあら~~最近の子はそうなのねー。あ、でも、安藤くんがお見舞いに来てくれたら嬉しいんじゃないの?」

「だから、何でそこで安藤くんが出るのよ!」

「だって、ママが知っているお友達は安藤くんだけですもの~~でも、実際に安藤くんがお見舞いに来たら嬉しいでしょう?」

「う……ま、まぁ! それが安藤くんかどうかは別として! 誰だとしても私を心配してお見舞いに来てくれるなら嬉しいに決まっているでしょ!」

「あらあらあらあら~~」

「もう、いいでしょ!」

「はいはい、じゃあママはもう出てて行きますよ~」

「はぁ……やっと出て行くのね」


 そして、ママは私の部屋から出ていく瞬間、私の部屋の外に向かって言った。


「って、言う訳だから~~安藤くん、入って大丈夫よ」

「は?」


「あ、朝倉さん……こんにちは」


 そして、ママと入れ違いで安藤くんが私の部屋に入ってきた。


「………………もしかして、これも夢?」




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