第61話 隙間なく

 ホテルのバイトから眠らずに予定を詰め込む。

 日雇いバイトの面接、取材、またバイト。

 受かっても受からなくてもいいパートの面接。


 思いつくままに動く。


 そうしないと…またベッドから起き上がれなくなるような気がする。


 死ぬことすら選べない澱んだ日々。


 モニターの向こうにはもう誰も映らない。

 デリヘルが閉店してからの勤務。


 時折、開く部屋の掃除を1人でこなす。


 不思議なもので、1人で動いている時間が落ち着く。

 自殺があった部屋…ここで人が死んだ。

 そんな部屋を掃除する。それが落ち着くなんて…。

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