第11話 何を心配した?

「ねぇ、ホテルで内線した?」

「うん」

「ごめんね、客がケチで清算してから帰り支度しはじめて…」

「ごめんね」

 本当にゴメン…彼女を心配する立場でもない。

 資格も無い。

 それでも、あの日僕はカメラで彼女を追っていた。

 心配したんだ…彼女のことを…でも、その男と早く別れてほしかった。


 それも事実なんだ。


 だから、ごめんね。

 そんな勝手な心配は迷惑だろう…何より気持ち悪いだろう…。


「普段はカメラ見てるヒマないから…」

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