第5話 思い高ぶる
焦った…電話をすべきか。
彼女に何かあったのか?
色々な思いで心がザワつく。
僕は内線で部屋に電話した。
4コール…5コール…なぜ出ない?
「はい…すいません、今出ます」
間延びした喋り方、鼻に掛かった声。
久しぶりに聞く、彼女の声。
「はい…解りました」
カメラで彼女と彼女を抱いた男を眺めていた。
エレベーターから降りて別れる彼女と男、慌てて男が彼女の方へ走って行った。
すぐ戻ってきたが…キスでもしてたのだろう。
従業員出入り口から彼女は何も無かったように出て行った。
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