秋の長門峡

長門峡ちょうもんきょうに、水は翡翠にありにけり。

からりと晴れし日なりき。


などと真似事のやうに、否、飯事ままごとのやうに

書き散らしてみるわれなり。


悲しいほどに長門峡はわが故里にあらず。

しかして、皮肉なほどに似てもあり。


にはかに渓谷に風吹きぬ。

染まり切らぬもみぢ葉を揺らして、吹きぬ。


からりと晴れし 日なりき。

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