1.2 超能力者
僕は生まれつき、超能力があるようだ。
相手の心を掌握し、行動を操る。
望みを言葉に出すと
相手はまるで操り人形になる。
誰にもこの能力を晒さず生きてきた。
必要以外は部屋からも出ない
実験はここまでだ。
今夜は大舞台
そろそろベットから降りねば。
きっと成功させてやる
夜
貴方に全て委ねます。何をすれば。
初老の男性は、僕の言うとおり操り人形だ。
よしやった。
操ってやったぞ。
僕の目の前から消えろ。二度と現れるな。
初老の男性はゆっくりと動き始めた
少しさびしそうな目をしてたのは気のせいか。まあ良い、新たな生活の始まりだ
…………………
はい。そうです。
何故か私の記憶だけ失うのです。
日常の記憶はあるようです
いいえ、私が身の回りの世話を。
はい、朝になれば妄言は進みます。
物語が進んでいくのです。
初めは、甘えているのかと思いました。
日が経つに連れ、要求は激化するのです。
そう、超能力だと。
今夜は、私に出ていくようにと。
はい、そうするつもりです。
彼の言うことは叶えますよ。
息子の願いは全て叶えてきました。
…………………
白衣を纏い
頭を抱え
ふと呟く。
ああ父親とは、かのように強きものか。
人形が無くなった後、どうなるのか。
絡まった糸を誰がほぐすのか。
私は超能力者では無い。
相手の病気も治癒できねば、心も穏やかにはできない。
さあ、初舞台。私は彼の父親のように舞台で踊ることが出来るのか、踊るべきなのか。
がらりと扉を開けた
…………
僕は生まれつき、超能力があった。
相手の心を掌握し、行動を操る。
望みを言葉に出すと
相手はまるで操り人形になる。
たった1人にだけ、この能力を使った。
彼は、もう僕の目の前から消えた。
僕のような病気で毎日動けない人形
彼の枷にしかならないから。
超能力者と言う、嘘のベールを纏い
彼を騙したのだ。
僕の望みはいつも1つだ。
自由に生きて欲しいのだ。
僕は生まれつき超能力があった。
今はもう、使う相手が居ないだけだ。
今は。
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