第15話 変な奴

ギョッとした。

薄汚い格好。

空を見上げながら、泣いてる。

近づきたくなかったのに、いつのまにかそばにいた。

慌てて通り過ぎた。

そのまま、振り返りもせず、逃げた。

汚なそうだし、臭いし…

そんな思いが頭の中を駆け回っていた。

あとで考えると、あたしの方こそ変な奴だったかもしれないけど。

とにかく怖かった。

人生で初めて見た。

こんなこと起きて欲しくはない。

自分は不幸なのだろうか。

これから不幸のどん底に落ちて行くのかしら。

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