第6話 わたしを捜さないで

ずっと一人でいたい。

遠くの、風に乗った、木の葉のように、

わたしは一人でいたい。

毎日、何をすることもなく過ごし、好きな時に横になる。

誰に見られることもなく、誰を見ることもなく、何も気にせず、気ままに暮らす。

それが、いい。

素直に、そう思う。

家は、食べ物は、明かりは、なんてことは気にしない。

一歩踏み出してみれば、何とかなるものさ。

本当に遠くに行けないことは、わかってる。

沁みついた生活を捨てられないことも。

だからこそ、尚のこと、強く思う。

一人でいられたら、いいのに。

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