俺とあいつの恋愛事情

さいく

プロローグ

-カタッ...カタッ...。

「フ、フフ...フヒヒ.....。」

キーボードを叩く音と共に暗い部屋に響き渡るニヤケ声。

「わ、私...。あなたの事が...その...。」

その言葉と声に表情筋がどんどん緩んでいく。

「す、好きです!付き合ってください!!」

彼女は恥ずかしさで今にも押し潰されそうに顔を真っ赤に染めてこちらを見つめてくる。

俺は目にも止まらぬ速さで[はい]を選択する。すると彼女はこれまで見たことない満面の笑みで...

「うれしい!!悠くん大好き!!」

と抱きついてくる。

「俺も大好きだよ花音ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「おにぃうっさい!!今何時だと思ってんの!!」

バンッ...っていう音とともに鬼の形相をした妹が入ってきた。

「あ...、その...すまん。」

「すまん。じゃ無いでしょ!!もう夜中の3時だよ!!前も言ったけど夜中に大声出さないで!!」

「うぅ...。そのごめんて...今度なにか奢ってやるから許して...ね?」

「そ、それなら仕方ないわね、許してあげる。でもいい?次は無いからね!」

軽く赤くなりながらも、そう言うと妹は部屋を出ていった...と思ったら戻ってきて「約束...絶対だからねっ!」と言って帰っていった。

へいへいと軽く妹をあしらい、俺はプレイ途中のギャルゲーをセーブして閉じ俺は眠りについた。

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