第2話

誰とも喋りたくない。一人でじっとしていたい。

あたしは一人じゃないとだめだ。あたしは単品で完成されていた。誰かと関わった分だけあたしはあたしじゃなかった。幼いだけの奴らと繋がりを演じちゃいけません。あたしは元気がない子なの。廃人があたしのベースなの。月一くらいで大声を出しちゃうだけで普段はしーっなの。だから奴らがうるさくするとあたしは頭を処理するの。奴らに調子づいていてはいけません。愛想良くするのは得意だけど長くは断る。奴らの浅くて不快考えを聞いてもあたしカンパニーは収益赤字。親しみの役作りはすればするだけあたしの時間が減る。あたしから歩み寄るなんて論外。喋り声谺響する密室は以ての外。あたしが学校に通いたいわけないでしょう。席の周りに奴らが動くとあたしのことに打ち込めないでしょう。全員自分の席で寝てなさい。あたしは孤独のコンディションが最良なの。誰だってそうだと思うけど。

誰にも見せたくない。あたしの作品は誰にも見せたくない。誰に見せる意味もない。奴らには理解できない。あたしより作りの浅い水槽でうようよ泳いでいる奴らに反映する題意はない。奴らは暇だから後ろを向いてほくそ笑みながら何気なく応えグロ黄色い声が掻い潜ると、あたしの頭を放射能にさせて。することがなく一人で机に向かう勇気がなく一人であることを出汁にして何となく誰かと話すことが良いことだと思いその程度で人生が豊かになるとでも思い実のない会話に造花を夢見て結局見れてない無駄な奴ら。暇さえあれば他人と話すのは自分に他人は要らないのにただそうしている奴らに自分がないから。楽しいからとか奴らは言うかもしれないけどそれは自分のなさを他人で中和して楽に済ませているってことでしょ。楽になりたいんだったら死のうよ。どうせ奴らには生きてて意味あることなんてないんだから死んだっていいじゃない。今死んでも将来死んでも奴らは大差ないんだから。奴らは生きてる以上、死を考慮しないと。何もない奴らの人生に一つでも嫌なことがあったらその直ぐ死ねるようにしておかないと。それを考えて奴らは教室で笑っていないの。笑っているのは奴らの人生が簡単だからでしょ。何もないからでしょう。奴らの年齢で発達したはずの脳が生きる意味も見つけないなら見つけられないなら奴らは既に終了です。死ぬことを考えずに生きているならましてそれを認めるものなら死にましょう。何もすることがないなら死んで。生きるために生きてるなら死んで。

奴らはありふれた一部だ。四捨五入すればされた存在だ。おまけに信念のない願いのない命を賭けた目標のない奴らだ。何もしないで電車に揺られ授業を姿勢良く聞き休み時間になるとこちらを向く。振り返る度、率直に死んでと思う。あたしの表す死ねは奴らの挨拶代わりと重みが違うの。早く死なないかな。早く自殺しないかな。こんなに祈っているのに何で君は自殺しないのかな。マンションの屋上から飛び降りろよ。おい何回も言ってるんだから本当に自殺してよ。こんなに四六時中思い出しては届けて言っているでしょ。後ろを向いて喋らないでうるさい。

あぁまたあたしは奴らに現を抜かした。奴らのために。あたしにはすべきことがあるのに。奴らにはないだろうけど。例えばあたしは可愛くなりたい。あたしがあたしを愛でる時、あたしは可愛い方がいい。鏡の前だけでお洒落してあたしに恋心を与えたい。そしてあたしを抱きしめたい。肌を舐めて感じさせてあたしが喜ぶんだ。あたしはそうやって過ごしたい。その姿が誰かに見られることは無知の範疇。他人は柵の鍵から飛んでいけ。

誰かの作品を見たくない。作品に付き纏う作者だって他人だ。他人に関わる時のあたしはだめだ。分断しようとしたら他人に毒されて時効が効かない。他人の歌詞がメロディがあたしの合間から離れない。あたしと摩擦する主観は出ていってよ。一々思うごとにスラングで喋るなよ。他人のキャラが上辺から順に直せ。女同士でいいに決まってんだろ。感動したとか好きとか死にたいとか一語一句は棄てててておけ。作者の述べることが罷り通る作品に騙されちゃいけない。いくら好きな分類の作者でもあたしの考えには及ばないに決まっている。第一作品に触れ始めた初期はあたしの人生に見合う作品なんて一作もなかった。だがあたしが世間に歩み寄ったせいで素晴らしいように認めてしまったんだ。作品は身を預けるのではなく共通を探す場所であると忘れるものですか。あたしを磨くには逸れた話し振りでたったの他人事だ。その経験は積まない方が良かったかもしれない。そうに違いないから、あたしは誰のファンにもなりたくない。二度と風呂場で歌を歌わない。あや歌は歌う。可愛い声を練習したいので。だけど本棚は枷になるから売り払おう。風景の騒音は掃除して。誰かの作品を見るのは辞めよう。借り物の考えや語句を使うのはそんなのはあたしでないんだ。

世界をあたしらしさで洗いたい。あたしの自己中心、価値観、喋り方を教養にしたい。しかし文字があたしの伝えに相応しくない。あたしは直接発しようとして、文字は隔たる。文字を打っては消して、文字を打てってはけして文字を打てては消して消して決して消して消して打たずに消して全部消せ奴らの全て全く消して苛々する。文字が細々してあたしの規模とすれ違う。あたしの当たり前を伝えようとして立ちはだかる奴ら。奴らに構ってる暇はないが、あたし以外の奴らが皆揃ってうざったい。コピペ機能が変換機能が絵文字機能が音声入力機能が伝える手段がうざったい。あたしの言いたいことに文字は要らない。文脈も文法も構造主義も間接に過ぎない。伝わらないとしたら奴らの問題。いつだって時間がうざい。予定がうざい。あたしの継続的な出力の間に入ってこようとする奴らがうざい。睡眠と食事がうざい。人間やめたい。肉体があたしの理想を遮る。

原因があると言え、結果としてあたしは現状無力でしかない。奴らを変えることができないあたしと変わらない奴ら。併せて齧って痛ませたい。あたしが傷つけば奴らも改まるかなぁ、と頭皮に爪を刺す。腕を掻き苛々する。苛々する。苛々苛々苛々苛々苛々苛々苛々ほんとになんだよあたしも奴らも全然良くならないしそんなんなのに誰かと話していちゃいけないんってのにさぁこの。

あーもーほんとうに、他人が邪魔。

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