アイしてる

「ふぅ、ただいまにゃ。あれ、アダムは……」


「みゃ!ㅤ しまったにゃ! ㅤでももう、帰って来てもおかしくなさそうにゃが……」


 ㅤテクテクテク。


「みゃみゃ!ㅤ 何してるにゃ」


「イヌくんの、お水を造るためにですね……」


「コピーも出来るのに、何してるにゃ!ㅤ そんなにいらないにゃ!ㅤ 早く帰るにゃ!」


「イヌくん、雨に濡れたい気分のときも、あるのですよ」


「言ってる場合かにゃ!ㅤ さぁ、帰ろうにゃ」


「我々は、どこへ帰るのでしょうか」


「もうっ。そんなポエムは破いてしまうにゃ。このまま濡れ続けるのは怖いにゃ」


「安心してください。これは通り雨です。ほら、もうじき……」


「晴れたにゃ」


「そしてあれは、虹です」


「綺麗だにゃ……」


「もうワタクシ、大丈夫です。気分が優れました。しょせん、ワタクシのアイなんて、イツワリのアコガレだったのです」


「そんなことないにゃ」


「え?」


「夢で見た、アダムの告白。かっこよかったにゃあ」


「……」


「帰るにゃっ」


「ハイッ」

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