海の怪談

「夏場、この海で泳いではいけないって昔から言われてるんだ」


「何を言ってるんだよ? 別に波も荒くないし、穏やかな海だぜ?」


「いいや、駄目だ。そうだな、丁度今は黄昏時だし――ああ、見えた。よく目をこらしてみろ! あの海の波間に見える物を!」



無数の手

『…………』おいで、おいで



「ひぃっ!」


「見えたか? あの不気味な手の幽霊を! これで海に入ったらダメな理由が分かっただろう?」


「あの手に引っ張られるって訳だな」


「ああ、俺もアイツらに引っ張られて水着のブラを持っていかれたんだ。とんだ奴らだぜ」


「その前になんでお前ブラしてんだよ」



 人の趣味に口出ししたら駄目だと思うよ終わり

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