【VR妹ちゃん】2

VR妹

『お兄ちゃん、私これ欲しいな~(はぁと』


「で、でもこれ10万もするんだけど……それに店員さん、これって」


店員

「あっ、はい。こちらのメニューはバーチャルプレゼントとなっておりますね。妹ちゃんのアイテムとして個人データに記録されますが、実際の物品ではありませんので購入の際はご注意ください」


「そ、そうですよね。ご、ごめんよ妹ちゃん。今月その、厳しいから……」


VR

『そっかぁ、仕方ないよね。ごめんねお兄ちゃん無理言っちゃって。私、良い子にして我慢します!』


「う、うん。今度お金貯まったら絶対買ってあげるからね! お兄ちゃん嘘つかないから! 約束だから!」


VR妹ちゃん

『あーあ、死のっかな(ボソリ』


「買うーーーーー!! 買います!買います!買います! だから元気出して妹ちゃん! 泣かないで!」


店員

「まいどありがとうござっしたー」


妹ちゃん(田所さん)

『え!? 本当にいいの?? ――わぁ! お兄ちゃんありがとう! これ欲しかったんだ! お兄ちゃんだぁいすき』


「こ、このくらいなんとでもないよ、だ、大丈夫。妹の笑顔の為だから(震え声」


店員

(妹ちゃんに貢がれたアイテムはその金額に応じてインセンティブが入る!!)


店員

(田所さんが稼いだ今月のインセンティブは俺たちどころか正社員でも太刀打ちできないほどだ……!)


店員

(これなら娘さんにも好きな物を買ってあげられる……)


店員

(リストラされて離婚されてどん底だと思っていたのに。田所さん……アンタって人は! どれだけ優秀なんすか!!)


VR妹(中身は田所さん43歳

『えへへ。私、こんな素敵なお兄ちゃんがいて幸せだなぁ♪ 世界で一番のお兄ちゃん!』


店員

(それに田所さん、最近生き生きとして人生楽しそうだ!)


VR妹(中身は田所さん43歳

『ねぇ、お兄ちゃん……それじゃあ、二人きりになれるとこ、行こっか?(///』


「い、妹ちゃん、ぐ、ぐへへっへ」


店員

(見つけたんすね、天職を!!)



もうしばらく続くんじゃよおわり

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