天業救世クロノセイバー

鋼鉄の羽蛍

宇宙の歯車が廻る刻〔蒼閃と炎陽〕

宇宙に響く歌声

第0話 始まりの刻



――狂える聖者が舞い降りる


  未来は尽きたと舞い降りる


  時は狂い……まことは闇に……


  宇宙そらは呼ぶ……蒼き閃きあお ひらめ いま何処いずこ

  

  宇宙そらは鳴く……紅き炎陽あか えんよう眼を醒ませと――

  



 太陽系木星圏。

 【ソシャール】と呼ばれるコロニー、それは木星の主衛星三分の一に相当する巨大さを持つ。


 そこへ今、不穏な影が迫り来る……。


 それをを見つめる人の様な影――少女と見て取れる姿が、【ソシャール】天頂に佇み光量子ひかりの旋律で詩をつむぐ。


 だがここは宇宙空間。

 人間が生身で活動できるはずがない。

 しかしそこに居る、ゴシック調のドレスをまとった少女は、全てを悟った表情で迫る影を見つめていた。


 すると少女のうたが予見していたかのごとく、迫る影より謎の人型を成す機械兵装が出撃した。


 ――ふと【ソシャール】に光が明滅すると、先ほどまでそこに居たはずの少女の姿は無くなっていた。



 宇宙に響いた少女のうた――それは世界の行く末を暗示しているかの様であった……。

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