東京の冬

初めての東京の冬は

とても寒かった


木枯らしという言葉の寒さに震え

吹き付ける風はやがて

僕の心まで枯らしていた


乾いた声は喉に張り付き

誰にも届かずに剥がれ落ちた


東京の夜は

星が見えないと聞かされていた

東京の冬の夜に

オリオン座が輝いていた

あの日、田舎で見たときと同じ輝きで

僕は何も知らなかったことに感謝した


東京の冬は相変わらず乾いているが

たまに運ばれてくる湿った空気が心地良い

夜に吹く風が染み入るように

僕の心は湿度で満たされる

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