ビートを走れ

第1話

コンマ一秒を縮めるために

僕は音楽のスピードを借りる

景色の鮮やかな色を切り取る

今にも破裂しそうな心臓を

連れて行くのは海が良いけれど

僕は泳げないから走るんだ

花を踏み付けて謝るような

失敗を数えたら進めなくなる

ゴールまでの長い距離の間

どうしてこんなに苦しいのだろう？

木々の揺らめきに鼓動が負けても

心の中に収めたい音は

勝利の喝采や大きな声が

僕という体の表面で歌う

いつも走りながら考えていた

音楽も景色も拍手もみんな

体じゅうの毛穴が呼吸をする

鳥肌の下は何と呼ぶのか？