第8話 蒼守の企み
さっき見た裸を、思い出しドキドキとしていると、久二郎に追い打ちをかけるように、裸で蒼守から出た水で背中を流し終え、背中を拭こうとしていたうさみだが、うまく拭けず、
「背中拭けないから拭いてぴょん♪」
「は?なな、なんだと?」
と言いつつも上目遣いで頼まれており断りきれず、
「わわ、わ、わかった!うう、後ろ向け!」と言い、
(うさみの上目遣いは卑怯だ!)と思いつつ、うさみの腰まで伸びた綺麗な髪の毛を優しく一纏めにし、肩から前に垂らしてから、うさみの手に持った手拭いを取り、軽く絞ってから拭いていった。
「やん♪ご主人様くすぐったいです!ひゃははは♪」
背中を綺麗に拭き、たまに蒼守から流れてる水で手拭いを洗い、背中を拭いていたら、
脇から腰あたりを拭いていた時、うさみはくすぐったかったみたいだ。
「あっごめん、ごめん。」
「だ、大丈夫ぴょ〜ん。つ、続けて下さいぴょん!」
少しうさみの様子が少しおかしいのを感じつつ、背中を拭いていたら、うさみの丸々として可愛い尻尾がが気になり、
さわさわと触ってしまい、
「ひゃん!だ、だめー!」
うさみはぴょんっと前に飛び屈み、蒼守の水を出しながら、顔を真っ赤して恥ずかしそうに久二郎の方へ顔を向けて来た。
「あっごめんごめん!くすぐったかったか?」
「いっ、いえ、何でもないですひょん!」
(ひょん?ぴょんじゃなくひょん?)っと久二郎は思ったが、尻尾の事には何も感じず、
「後は流すだけだ。背中流せるか?てか蒼守って俺でも使えるのか?」
「あっ大丈夫ですぴょん。自分で流すぴょん!蒼守ちゃんに聞いとくぴょん!」
顔真っ赤にしたまま返答し、うさみは自分で流すのであった。
(うーん。うさみのやつどうしたんだろな。)
そんな中うさみはというと、
(ご主人様に尻尾触られちゃったーもうお嫁に行くしかないよー)
心の中で叫んでいると蒼守が、
『もう!うさちゃんってば、久二郎様の事好きなんでしょ!もっと頑張りなさいよ!お情け貰えないわよ!』
久二郎に対しては丁寧語なのに、うさみには、友達感覚な喋りでうさみにダメ出しを言っていた。
因みに背中の件は、蒼守の提案でうさみは蒼守に言われたままの事をやっていたが、裸は見られても大丈夫なのだが、やはり大事な所を触られるのは恥ずかしく、得に大事な尻尾は触られると恥ずかしいのに、触られたのが大変気持ち良かったので、困惑していた。
(むーん!尻尾は大事なんだからね!)
『はい、はい。わかったわよ。久二郎様を余り待たしてはいけないわ。早く背中流して乾いた手拭い貰って拭きましょ。』
(はーい。そ~いえば。蒼守の力ご主人様でも使えるの?)
『勿論使えるわよ。元々は久二郎様の短刀なのだから当然なのですわ。』
(分かった。後でご主人様に言っとくね!)
うさみの心の中ではぴょんの語尾は余り使われてないようだ。声に出すと言ってしまうのであるようだ。しかし逆もありそうだ。
そんな中、久二郎はと、
(様子がおかしいな。尻尾か?尻尾に触ってはいけなかったのだろうか?うーん。尻尾触ってから様子が変だな。)
っと思っていて鈍感ながら少し冷静になった久二郎は周囲の警戒しつつも、さっきからチラッチラッと、うさみの裸を見ながら、ふと乾いた手拭いの事を思い出し、渡そうとうさみに声をかけたら、その頃うさみも背中と体全体の水浴びが終わり、蒼守の水を止め、絞った手拭いで拭き終わって、乾いた手拭い貰おうとしていたらしく、
「うさみ!乾いた手拭いつかうか?」
「ご主人様、乾いた手拭い貸して欲しいぴょん♪」
同時に言い、うさみは、何故か少し照れくさそうに手拭いを貰い、
「濡れた手拭い貰うな。」
濡れた手拭いを久二郎に渡し、
「ありがとぉぴょん。あのぉ手の届く所まで拭いたらまた背中拭いて貰えますぴょん?」
「わかったよ。待ってるから早く拭きな。」
「わかったぴょん♪」
うさみは髪の毛からしっかりと拭き、届く範囲まで素早く拭き終え、今度は、きちんと髪を背中を拭きやすいようにしてから、
「ご主人様拭き終えましたぴょん。」
照れくさそうに言い、
「分かった。手拭い貸せ。拭いてやる。」
久二郎も照れくさそうにしているが、さっきより冷静で
うさみは、言われず後ろに向き、久二郎は先程のようにならないように丁寧に背中を拭き終えた。
「拭き終わったぞ!」
「ありがとぉぴょん♪あっ有り難う御座いますぴょん♪」
「ん?どうした?何だ急に畏まって?」
「蒼ちゃんがちゃんとした言葉で話しなさいと言われましたぴょん。」
「蒼ちゃん?そっか。俺はどちらでもいいがな。」
「はいぴょん♪頑張って良い女になりますぴょん♪」
うさみはとても張り切っていた。蒼守を持っている間、蒼守にあれこれと言われていて、言われた事を色々とやっていたのだ。
(んー?蒼守の考えか?いいのかなぁ?あんまり畏まれてもなんかいい気分ではないがな。)
久二郎が考える間、うさみさっさとまだ少し濡れている羽織を着て久二郎に教えて貰ったたすきの巻き方をして、たすきを腰に巻き久二郎から貰った魔石を羽織の内側のポケットから出し、眺めてから大事に握り締めまたポケットに入れた。
その後、うさみは腰に巻いてあるたすきに大事に短刀を差し此方に歩いて来た。
「さてと、街に向かうか!」
「はい!了解ですぴょん♪」
久二郎が歩き出したら、うさみは久二郎の手を繋ぎ2人仲良く街に向けて歩き出した。
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