第7話 蒼守と命名スキル
うさみとスライムの先程の戦闘に疑問を持ちつつ、スライムとの戦闘終了後、蒼守を抱き締めているうさみに近付いて声をかけ、なでなでした。
「うさみ頑張ったな!お疲れ様!」
「うん♪ありがとぉぴょん♪お疲れ様ぴょん♪蒼守に色々教えて貰って戦ってみたぴょん♪蒼守ありがとぉぴょん♪」
うさみは、なでなでされながら嬉しそうに返答し、久二郎に蒼守の譲渡に感謝し、蒼守にも感謝した。
久二郎は蒼守の事が気になり、うさみに聞いてみた。
「うさみ。蒼守に教えて貰ったってどういう事なんだ?さっきの水刀と氷刀といい、戦闘も様になっていたが?」
久二郎はうさみに蒼守の事を聞くが鑑定しようと確認してみた。
(蒼守、鑑定)
作成者 刀鍛冶師 九条 源六
源六が緋緋色金で久二郎の為だけに造られた短刀。
銘は源六が付け蒼い短刀に久二郎の護り刀として蒼守と名付けた。
久二郎の護り刀としていつも一緒にいて久二郎を見守って来た。
久二郎の命名によって進化したが未知数、新たなる蒼守となり進化、命名力によって、蒼守が意思を持ち、短刀の刀身に水の力、鞘に氷の力が付加された。魔力を込めると発動する。
短刀の刀身に刃こぼれや壊れる事は無い。同じく鞘も壊れることは無い。
納刀した状態で魔力を込めると鞘の氷の力が蒼守の刀身に移動される。
手元に蒼守が無くなっても呼べば使用者に戻って来る。使用者がいない場合、作成者及び所有者に戻る。現在、所有者 九条久二郎 使用者 うさみ とされている。
(命名って凄いなぁ!やたら滅多に命名できないな!!蒼守凄いな。あっ俺の刀に銘入れしてないや……しまったなぁ)
蒼守の鑑定してるとうさみが答えてきた。
「蒼守がね色々と教えてくれるの!戦い方とか納刀や抜刀や蒼守の力とかいっぱい教えてくれるぴょん♪」
「あっ蒼守がご主人様と話しがしたいって言ってるぴょん♪」
両手で蒼守を久二郎に渡して来る。
「えっ?蒼守が?分かった。」と言って受け取る。
受け取った蒼守が蒼白く光り話しかけてきた
『久二郎様、お話しでき嬉しく思います。命名され私わたくし蒼守に意思を頂きお陰様でこうして話せるようになりました。源六様に私を作って貰い銘を貰って源六様の久二郎様への思いを継ぎ、これまで久二郎を見守って来ました。久二郎様はいつも大事に私を手入れし、いつも大事にして頂いた事を感謝しています。これからはうさちゃんと意思疎通を図り共に、久二郎様を蒼守の銘のもとに久二郎様と、うさちゃんを護りたい次第に存じます。)
(ん?女の声だな。そうなんだな。俺も蒼守と話せてとても嬉しいよ!うさちゃんか。うさみと仲良くしてるんだな。俺よりもうさみを護ってやってくれないか?俺は自分の身は自分で守るよ。その為にうさみに蒼守を渡したのだからな。)
『久二郎様、うさちゃんはとてもいい娘です。私、蒼守は源六様の意思と久二郎様の意思、うさちゃんの意思で私、蒼守の意思は成り立ってます。うさちゃんの事は勿論の事お護り致しますが、うさちゃんは久二郎様を護りたいと思っています。源六様と今の使用者うさちゃんの意思に従い護りたく存じます。』
(そうかー。よろしく頼むよ。俺が危険が無いときはうさみを護ってくれないか。これからうさみの事をよろしくな。)
『はい!久二郎様宜しくお願い致します。うさちゃんの事は私にお任せ下さい!短刀の扱いと、源六様と久二郎様の短刀術と、水氷の力をうさちゃんに伝授し教育して参ります。手拭いをうさちゃんに渡して頂けますか?今回は水の力を使い汚れませんでしたが、短刀の手入れを教えます。)
(あっ手入れの仕方教えるの忘れてた。手拭い3枚あったな「うさみ!手拭い渡しとくな!詳しくは蒼守に聞け!」蒼守宜しくな!)
『宜しくお願い致します』
蒼守と話し終えた久二郎は、蒼守をうさみに渡した。
「うさみ、これから蒼守の言う事聞いて精進しろよ。」っと渡し終わったうさみに言い、
「分かりましたぴょん♪」
うさみは嬉しそうに蒼守を抱き微笑んでいた。
(蒼守凄すぎだろう!うさみのこれからの成長がが楽しみだな)と思う久二郎だった。
(てか命名凄すぎだろう!鑑定してみるか!鑑定!)
ユニークスキル 《命名》
名を与えるスキル。
人物や物に命名すれば力を得、進化したり意思を持つ事がある。
既に有る名や銘でもスキル所持者への思いや両者の意思よって命名し、同じ名前を付けても初めての命名と同じ効果がある時もある。
スキル所持者が作成者の場合、命名によって銘が刻まれる。
他者の作品の銘入れは命名による力が、殆どが発現出来ない。
「うわっ!凄すぎだろう!命名で悪用はできないが、する気も無いが、はぁ、初めからうさみのステータスと命名の鑑定しとけば良かったな。まぁ終わった事は仕方がないがな。(笑)」
思わず命名スキルの凄さに声を出してしまった久二郎だか、その声にうさみは吃驚して声をかけてきた。
「あわややや〜!ご主人様どうしたぴょん!悪者ぴょん?何処から来るぴょん?うさ耳には反応無かったぴょん!」
うさみに声を聞き振り返ると、
「あっ悪い!何でも無い!ちょっとな、って何で裸だ!!!」
うさみは左手に手拭い、右手に鞘から抜かれた蒼守を持ちこっちに走って来て久二郎の前に止まった。
「何でも無くて良かったぴょん♪裸?それはね。蒼守ちゃんに水浴びさせて貰ってたぴょん♪ヌメヌメ気持ち悪くて助かったぴょん♪」
久二郎は、眼をあんぐりさせ、固まっていたが、暫くしてうさみに返答した。
「そ、そ、そうか……まっ、まっ、まぁあれだ!ちゃ、ちゃ、ちゃんと警戒はしていたようだが、そ、そ、そういう事はちゃんと報告しなさい。」
眼をそらしながらもチラッチラッとうさみの裸を見つつ話していたが、内心ドキドキでとても平常心では無かった
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