努力のベクトル
誰もが、時別な人間になりたい。
特別な人間、芸能人、スポーツ選手、政治家、総理大臣……
それだけじゃなくて、誰か特別な相手にとっての、特別な人。
他の人とは違う、才能のある人間。
みんな、そういうのに憧れている。
例外なく、誰にだってそういう考えはある。だから、憧れや嫉妬という感情に行き着く。
自分は多才で、場所が場所なら特別な人になれたはずだという人がいるとする。
例えば、自分は芸能界にいれば売れっ子になれたはずだ。環境が悪い。
とか、
もっといいコーチなら、自分は金メダルが取れたはずだ。
そう言って現在の状況を否定して、自分の努力不足を人のせいにする。
そういう人に限って、自分は特別なんだから、という考えに取り憑かれている。
その考えは恐ろしいもので、その人のこれからをまるっきり台無しにしてしまう。
自分は特別な人間だから、評価しない周りが悪い、と。そう考えるから努力しない。
周りが評価しないのは、あなたの力不足でしょ。コーチがいくらよくたって、走らなきゃ足は早くならない。滑らなきゃジャンプは飛べない。
実際、特別な地位にいる人間は、驚くほど自分を特別視していない。他の人と同じだよ、ただちょっと努力のベクトルを変えただけ。
そう答えるだろう。
だから、かえって、自分を特別な人だと勘違いしている人ほど、特別視されたい凡人なんだよな。
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