Transmagic in 21st.
桐生龍次
1st_Curiosity killed the cat. 01
【好奇心は猫を殺す。】
『都市の最も中心にある建物に入るとバケモノになってしまう』
まことしやかに囁かれる噂。
本当か嘘かは入った人のみぞ知る。
「…っつー噂があるわけよ」
「…で、何をさせたいのさ?」
「コウタ、行ってみよーぜ!」
「やだよ。遠いし」
『計画都市』と名付けられた、壁に囲まれた都市。
ここは、その中でも中心部から一番遠い高校、緑淵高校。
…そもそも、この計画都市は、色で区が分けられていて、ここは東側に位置する「緑区」の「
「
「だから良いんだろー? いいじゃん、行こーぜ」
「嫌だって…」
面倒な友人だとつくづく思う。
僕は
僕と一緒にいるのは
「なあ、オトハとティナも来るかー?」
「え、なになに、面白そう!」
「オトハ、ヘイジのことだからどうせつまんないって…」
話をややこしい方向に持ってったなヘイジ。
「やめとこうよ、オトハ…」
「ティナの言うとおりだ、そんなことに体力使いたくないし」
「コウタ、たまには運動しなよ! 明日は休みだし、今日はどうせ部活ないんだし!」
「それ、来週がテストだから…」
「そうだぞー、危険な剣ばっか振ってないで体動かそうぜ」
「あれは竹刀、そこまで危険ではないから」
意見が二人と二人で食い違ってる。
テスト前なのに暢気な二人と、テストを危惧する一人、そして動くのが面倒臭い僕。
「こうなったら、四人でじゃんけんな! 俺かオトハが勝ったら四人で行こーぜ」
「はぁ? なんで…」
「いっくよー! じゃーんけーん…」
負けた。オトハが一発で一人勝ちしたせいで、往復二時間の道を自転車で走る。
…まあ、一応噂には興味が無いわけではない。でも、わざわざ学校のあった直後に行かなくても…
「はぁ、はぁ… 疲れた…」
「ティナ、こんなんでヘタってないで、早く行こーぜ!」
「陸上部だから平気なんでしょ、ヘイジは」
「もう、無理…」
「ティナ、まだ環状線すら抜けてないから、頑張ろう」
ティナのペースに合わせつつ、央部に到着する。
「流石に、疲れるな…」
「む、無理だって……」
「ほらほら、ティナはともかく、コウタもへばってどうするのよ」
「研究所まであとちょっとだ、頑張ろうぜ!」
「うー……」
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