寒き秋よ、切なさ凍れ

@kento0915

プロローグ

私はいま全神経をフルに活用させ、淡々と早歩きでデパートを歩いている。

セール品なんかに目もくれず視線はただ一方向。

なにをそんなにみているのか、そう問われたのであらば私はこういうであろう。

西原夏恋。女子中学2年生。部活はバレー部で運動好きでありながらもどこか花蓮な雰囲気を漂わせるのは名前のせいだけではなかろう。

それを答えたあとおそらく次になぜそんなにみているのかきかれると予想する。

この予想は確信に近い。胸をはっていえる。

そしてこの質問にも胸をはってこたえよう。


「ストーカー」をしている。


そしてこう答えたあとほとんどのひとは顔を引き攣らせて去っていくであろう。

逆の立場なら私もそうするだろうなぁ、とは思う。


だがしかし私はストーカーをしている。自分のやっていることにも理解をしているし軽蔑さえしている。

だが私はする。

さてここまで説明した時点でもうこの先を話す相手はいなくなってると思うが、私はそれでも言わせて頂こう。私の奇妙な日常を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

寒き秋よ、切なさ凍れ @kento0915

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ