◯修学旅行 1日目
飛行機を降りて、バスで移動し、海に入る。
とりあえず、快晴で、11月とは思えないほどの
暖かさであり、気持ち良さであった。
僕の場合はドラゴンボートで、海を駆け巡る、
といった、楽しいアトラクションだった。
正直すごい気持ちが良かった。
曲がる時なんか、塩水が口に飛んできて、
塩(しょ)っぱさはあるけれど、その分の旨さもあった。それに加えスピードも結構出ていたので、
風が気持ち良かった。とりあえず、良い記憶だ。
みんな楽しかったみたいで、大満足のようだ。
修学旅行は、3日間。
1日目は海に加えて、戦争の悲惨さを知る、
この2つだ。
2日目は世界遺産と、パイナップルパーク、
夜には星空ナイトツアー。しかし、曇りだ。
3日目は水族館に行き、そこから空港へ行く。
このプランだ。
そして、平和記念後半へと向かった。
移動中、バスの中で
「明日の星、見えねえよなあ?」
「でも、行くだけ行くらしいぜ?」
「雨が降らなきゃいいんだもんな。」
等々、心配の声が相次いでいた。
僕も正直、星が好きだから、心配だ。
と、そこへ、
「なあ、本郷、明日晴れにしてくれよ、
お前の持ってる魔力で。」
無茶振りをされた。クソ野郎。
何言ってんだよ。
なんて言えるわけがない。
「我が身に宿れ天の支配者。ハレルーヤハレヨ!」
「ぎゃははははははは!!!やっば!おもろ!」
みんな満足のようだ。
これで良い。楽しんでくれればそれで良い。
とか、思えるわけない。
そんな道中を経て、目的地に着いた。
およそ70年前程の映像や遺留品を目にした。
僕は1人で見ることにした。友達と見るものではないと思うから。そこで見たもの、それは僕の中で衝撃を与えた。焼かれた水筒、三輪車、衣服…。
女学生のプロフィール…。ああ、なんでこんな、
なんでこんな、罪もない人々が亡くならなければならない。平和を唱え続けなければな、そう思うけど、今の世の中を見てみよう。
戦争や紛争は消えていない。
ある国はミサイルを飛ばし続ける。
ある国は差別がまだ消えない。
結局、変わろうとしてるのに変わらない。
そんなことを思い知らされた。
けど、少し気づいた。
きっと、権力者の側近や幹部は反対している人がいる。それを口には出せない。自分がどういう仕打ちを受けるかわからないし、最悪の場合殺されるかもしれない。だから、彼らは反対の心を持ちながら、
仮面をして、同調してしまう。愚かな権力者に。
そう、僕に似ている。
きっと彼らも、仮面を外すことなんてできない。
だから、戦争も終わらない。
色々考えさせられた。
クラスのみんなも珍しく、考え込んでいるようだった。
ホテルまでのバスは少し静かで、
僕としても過ごしやすかった。
そう、色々考えているからだ。
それからのこと、ホテルに着き、
部屋を確認して、食事のテーブルへと向かった。
ここで言っておきたい。
あの、ホテルは最高に美しかった。とても綺麗でキラキラしていた。僕はセレブになったのではないかと思わせてくれるほどにだ。
食事は、バイキング形式でたくさん食べれた。
ひと段落して、先生が話をしている時、
周りの奴らがとんでもなく騒いでいた。
うるさいな、そう思ってるだけだったけど、
最悪の想定が当たってしまい、
「おい!本郷!話長すぎねえか?
面白いことやれよ!」
先生の話中に言ってきやがった。
先生の目を確認しながら、頼むバレるな、そう願い。「せーの!ホテルを掘ってる!」
「はははは!!!なにそれ!おもろ!」
ふざけるなよ、クソ野郎。
そう思いながら先生を確認すると、
……最悪だ、見られていた。
そして、食事の後、先生に呼ばれ、
「お前な、ルーム長だろ。何してるんだよ。
しっかりしろ。注意する立場だろう…。」
説教された。信頼してくれていた先生に、
怒られた。なんでだくそ!クソ野郎。
1人で帰る廊下で、僕は怒りを隠さなくて、
誰もいなかったので、
「くそ!まじでくそ!何やらせてんだよ!
まじ、ふざけんなよ!先生に目をつけられたじゃないか!」
思いっきり晴らした。
すると、「本郷くん…大丈夫…?」
声をかけられた。
クラスの控えめな男子にだ。
「え?何が?平気だよ。」
笑顔で返しておいた。
「あの、本郷くん?その、君さ、色々抱え込みすぎてない?その、なんていうか、その…、何かあったら言って欲しいんだ…。話聞くぐらいしかできないと思うけど、…。」
その言葉に思わず反応してしまった。
「じゃあさ、うるさいあいつらを黙らせることできる?」
「本郷、くん?」
「って、うそうそ、何にも溜め込んでないよ。
心配しなくて大丈夫。」
「あ、あぁ。うん。」
「ほら、行きなよ。楽しもうよ!」
「そ、そうだね!楽しもう、!」
そして、控えめな男子は去って行った。
やばい、ついつい、心の声が出てしまった。
何をしているんだ僕は。
その瞬間
''ピシッ、ピシッ''
何かの音がした。
そして、クラスの男子と騒ぎ1日目の夜を越した。
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