その幼女、最強につき

@PRUDE

第1話転生したら幼女

「いやいやおかしいやろ

絶対おかしい!」


薄暗い森の中を


何故かパンティー1枚だけしか履いていない幼女は呟く


「おかしいやんか!

俺さっきまで……あれ?」


記憶を探っても

街中を歩いていた記憶が一番新しく


視界の端にはこちらに猛スピードで向かって来るトラックが……


「あ、せや

思い出した」


元青年、現幼女は


自身がトラックに轢かれて死んだというのを思い出す


「……ってことは何か?

これが巷に聞く異世界転生?」


そう考えれば考えるほど


現実味を帯びない現状況に納得が行く


「アホボケコラァチンポヘンズリがぁ!

転生するにしても幼女ってどないこっちゃねん!!」


幼女はやり場のない怒りで頭を抑えながら叫ぶ


「はぁ…はぁ……と、とりあえず叫んだら多少は気が紛れたわ…

とりあえず、森を出て…」


街へ行こう、そう考えた時


ふと自身の姿を振り返り



「……あー、今パン一やんけ」


だがここは元男子

もとい学生!


全裸を見られる恥じらいはあっても乙女ほどではない


「……よし、シュミレートしてみよう」



一先ず妄想してみる



ーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー



ーーーーーーー






「……ん?

……はぁっ!?」


街の門で

見張りをしていた兵は

ある一定の方向を二度見した


なんとパンツ一丁の幼女が堂々と森から出てきて

歩いてこちらへ向かって来るからだ



「な、なんだあれ

新手の魔物か!?」



綺麗な長い金髪

可愛らしく整った顔をしている幼女だが


あまりにも堂々としすぎていた



(……まずい、もしかしたら魔族かも……

そしたら勝ち目ないぞ)


兵は内心頭を抱えながら

幼女とコンタクトを試みる


「こ、コンニチワー」


とりあえず開口に

そう話しかけてみた

初対面では無難なのが一番良いだろう


「お?

なんや?自分」


幼女はそう兵に話しかけた


「え、えっと……

どうして森からそんな格好で出てきたのかな?」


ひきつった苦笑いで、兵は幼女にそう聞く

すると、幼女は


「……気づいたら森におったんや

服は街で買うから兎に角入れてくれ」


と、兵に話しかける

やたらと突っ込みどころの多い説明だったが

兵はグッと堪える


「え、えぇっと

君この街に仲間とかいるの?」


そう兵は聞いてみる

パーティー等を組んでいて

もし仲間がいるなら連絡をしようと考えていた


だが


「…い…いや、一人だけ……」


幼女は目をそらしてそう言う


「ひ、一人だけ……?

じゃ、じゃあどうやって街へ入って

服を買う気なんだい?」


幼女のソロ発言に更に驚いた兵は

ならどうやって、どんな格好で街で服を買う気か聞いてみる


だが帰ってきた答えは



「こ…この格好じゃあかん?」


そう、幼女はパンツ一丁のまま街を闊歩し

服を買いに行こうと考えていた


「あ……あかんやろ……」


「あかんわな……」


呆れた兵は

移ってしまった口調に気づかず

幼女にそういった


言われた幼女も中身は日本のいい年した学生

力なくそう返した


ーーーー


ーーーーーーー


ーーーーーーーーーー




「…あかんわな……」



そりゃそうだよな、と

妄想内部の出来事を思いながら



「しゃあない、一先ず……その辺の村で着るもの拝借してまおうか」


元々荒くれものの多い泉州出身の幼女は


人の物をパクる事にあまり躊躇はない



幼女はとりあえず近くに村がないか


探し回るのだった



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