第7話漆黒の世界最強剣士シュウ
第六界
「魔炎、竜爆翔!!」
男剣士が叫ぶと持っていた漆黒の剣から轟音と共に巨大な炎の渦が現れ、剣の周りにまとい始めた。
「はあああぁっ!!!」
男剣士が剣を横に払うとその渦はうねりをあげながらあたりの「カゲ」と呼ばれる魔王軍の魔物を一瞬のうちに吹き飛ばしてしまう。
「うん?なんだよ。魔王軍てのはこの程度か。張り合いなさすぎだろ!」
漆黒の剣から放たれた炎は威力が強すぎた結果、周りの景色もまとめて吹き飛ばしてしまった。
「っとぉ、やりすぎてしまったかな?あいつら大丈夫か?」
少し経った後に遠くから何人かの女性の叫び声から聞こえてきた。そして多少煤だらけの姿をした女の子三人が男剣士に駆け寄ってきた。
「おおう、すまん。無事だったみたいだな。」
「私たちのこの姿見てよくそんなセリフを吐けたわね!!」
「本当、信じられないですわ!何でこんな男が私たちの教会の選抜勇者なんかに!!」
「シュウ君お疲れ~。かっこよかったぁ。」
第一修道教会。ナミ神を信仰している教会の中では規律正しく、優秀な勇者を排出してきた。まあ一番すごい教会ってこと。俺はその教会に元勇者の息子として生まれたんだが、いかんせん物足りない。なんというか俺が強すぎるからだ。生まれながらにして他人を圧倒できるスキルをいくつも持っている俺は子供の頃から教会や王宮の大人達はもちろん父親と呼ばれる奴にも負けたことはない。そんな俺に教会が魔王を倒して下さいお願いしますと言ってくるもんだから面倒くさいが仕方なく今東ノ宮に向かってる途中だ。なんか魔王を倒すとナミ神様とやらが願いを叶えてくれるらしいが、ぶっちゃけそんなことに興味ない。あるとすれば「平穏に暮らしたい」だ。ああ、あと目の前にいるこの娘たちエリカ、エレナ、エルマはウチの教会の中では多少見どころがあるから連れて歩いている。しかしどいつも色々と性格に難があるのが玉にキズだ。おっとまだ名乗っていなかったな。俺は・・・。
「ちょっとシュウ!聞いてるの!?」
エリカはふくれっ面でシュウを睨んでいる。
「ん?ちょっと待ってろ。今読者の皆様に俺たちの事を一から順に懇切丁寧に説明してる途中なんだから。」
「何言ってるのあなた?それより・・・。」
「それよりお前ら早く着替えないと、あ・・・。」
先ほどの炎の渦の威力の影響か三人の教会の制服がボロボロと破け始め、下着が完全に露わになった。エリカの下着のブラは上部にケミカルレースをたっぷり配置してありリボンをあしらいキュートさもプラスしたランジェリーだ。ミルキーピンクとライトグリーンのストライプ柄シフォンが成長期に達して少し熟し始めた胸をふんわりと包み込み、愛らしい見事なコンビネーションを!
「こぉらあ!勝手に解説すんなぁ!」
・・・・・・。
「エリカこそ誰と話しているんだよ。まさか見えない神様ってやつ?」
シュウはエリカ達から背を向けて空を仰いでいる。
「うるさいわね!!よくも見てくれたわね!!」
「いや、信じられないだろうけどこれは事故なんだ!俺の四精霊のスキルが強すぎたのが悪い!つまり俺は悪くない!オーケー?」
「信じられませんわ・・・。」
エレナは顔を赤面させながら泣きそうな顔になってその場にうずくまっている。
「それよりシュウ君、私の下着は解説しくれないの・・・?」
エルマはシュウを後ろから抱きつきながらその豊満な胸を押し当てた。シュウは少し動揺したが直ぐ平静を保つ。
「おいおい解説だってエルマたん!?そんな事した覚えはないぞ俺は。」
「こらエルマ!!そんなもの押し付けちゃだめでしょ!!」
エリカはエルマとシュウの間に入って引き離そうとするが中々離れようとしない。
「え~、でも使える武器は最大限に利用するべきって前にエリカ教えてくれたじゃん。」
「それとこれとでは話がちがいます!!」
「それよりお前ら。ちゃんと町の方角に向かっていたカゲはやっつけたんだろうな。」
それを聞いてさっきまでまでうずくまっていたエレナが顔を上げた。若干涙目になっている。
「当然ですわ。逃げて行った残党もほとんどあなたが吹き飛ばしてしまいましたし。」
「ふむ、そうか。それは何より。」
「何より、じゃないわよ!おかげで私たちの服が吹き飛んじゃったじゃない!」
エリカはエルマを引き離す事をやめてシュウの横に回り込んでヘッドロックをキメた。
「ああああああああああああああ!!!!!あ、おっぱいサンド・・・・。」
「あっ。」
自分の胸にシュウの頭を押し当てていることに気づき手の力を緩めてしまう。シュウはその隙に、エリカの手を解き、後ろのエルマの組み付きを瞬時に引き離した。そしてエリカの後ろに回り込んでやわらかい髪の頭をそっと撫でた。
「お礼によしよししてやろう。」
「ちょっ・・・・ふぁっ。んっ・・・・それ・・・反則っ・・・。」
エリカはすぐシュウの手を引き離そうとしたが徐々に気持ち良さに耐えられなくなり、なすがままに撫でられている。
「あ~、エリカズルーい。私も私も~。」
エルマはシュウに向かって駆けていき頭を撫でやすい位置に頭を差し出してきた。
「ん~。とりあえず後ろ向いているからみんな着替えろ。」
エルマは最初は不服そうな顔を浮かべたがすぐ機嫌良くなり、エレナと一緒にシュウの後ろに向かって歩き始めた。
「どうだ。少しは落ち着いたか?落ち着いたらお前も着替えてこいよ。」
すっかりおとなしくなったエリカにシュウは後ろからそっと囁いた。
「もぉ・・・。バカ・・・。」
エリカは赤面顔だがとてもうれしそうに俯いている。この世界の女は本当ちょろいな。シュウは心底そう思った。
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