狂ったヤツらは勇者になった理由を知らない

Prolog

『赫の断罪者（ルージュ・ジャッジメント）』──その名を、レイセルト・カーネリア。

『黑の断罪者（カインズ・ジャッジメント）』──その名を、カイルザッド・ダークレイン。

『傍観者（スィーズ・アイ）』──その名を、斑瞳（まだらめ） 埜夜（やよ）。

『人類最凶（デッド・イーター）』──その名を、夢宮（ゆめのみや） 要稀（かなき）。

『夢（スリーパー）』──その名を、眠娜（ねむりな） 結遊（ゆゆ）。

その名を知る者は口を揃えて言うだろう。

「この五人には近づくな。」と。

たった五人の少年青年に（五人の子供相手に）。

そして…──

勇者と呼ばれる存在であるにも関わらず。

何故か皆、口を揃えて彼らをこう称する。

『死に愛された、孤独と死の救済者たち』と…──

──彼らには、世界を救う事は二の次だろう。──

誰かがそう言った。それもそうだろう。

彼らは能力者を狩るために選ばれた能力者の勇者なのだから。同業者を狩る、五色の獣──…

獣は今宵も地を駆ける…──。