ーYELLー

第1話

目覚まし時計と携帯電話が

同時に鳴るのは朝の仕業か

元気の良い子供たちの声は

正直で少し羨ましくなる

昨日この道で失くした想いを

ブランコに伝え揺れていたかった

風よ吹け

シャツの裾が踊るくらいに

星よ泣け

溶けた体が目に入るくらいに

僕よ遊べ

言葉を忘れて笑えるくらいに

コンビニに寄って帰る途中で

最後の夏を安売りで買った

線香花火のように落ちてゆく

先の見えない明日を生きるため

キーホルダーに付けた家の鍵を

光に当てるだけで十分だ