万年筆さん、ここまでのまとめ

 ほし子を迎えて約2ヶ月。

 僕は今日も「新しいペンかインク……欲しくない?」との悪魔のささやきに耳を塞ぎつつ、メーカーのサイトを巡回し次の獲物を探す日々を過ごしております。


 前回までで、現在僕が所有している万年筆についてはおおむねご紹介が終わりました。いかがでしょう。皆さんのお気に召す子はいましたでしょうか。

 今回は、ご紹介してきた子たちについて、もう一度軽くまとめ直しておきたいと思います。


◯ウォーターマンのスタンダードな子

 正式名称がわからない子。筑波大学の校章付きのやつです。どなたか正体が判明しましたら教えてください。

 ニブは金だと思っていたのですが、もしかしたらステンレス製で金メッキ塗装が施してあるやつかもしれない。

 ぬるぬるした書き味がくせになります。舶来品のFなので、字幅は広めです。サインペンかよってくらいはあります。


◯コクーン(万年筆)

 パイロットさんの鉄ペン。記事では5000円程度と言っていましたが、調べたら税抜き3000円でした。とてもお得。

 キャップをしめた姿はその名の通り繭をイメージした流線型。ですがでっぷりしているわけではなく、しゅっと伸びた肢体が美しくかっこいい子です。

 さりさり系の書き味。インクフローはとても良く、なめらかに書けます。

 キャップが嵌合式なので気軽に取り出して書けるのも利点です。が、うっかり床に落としたりしたらキャップが外れてペン先が歪みます。と言いますか、仮に嵌合式でなくても万年筆は床に落としたら死にます。そもそも万年筆は床に落としていいものではありません。みなさんは……気をつけてね……。


◯カクノ

 パイロットさんの鉄ペン。お値段はなんと1000円。

 「子どもが初めて触れる万年筆に」というコンセプトにのっとって、初めて万年筆に触れる人に向けた工夫が多く施されています。年齢にかかわらず、最初の一本におすすめ。

 軸やキャップが六角形なので、机の上に置いておいても転がりにくくなっています。うっかりものを落として壊しがち、というデストロイヤーなあなたにもおすすめできる一品です。


◯エルバン(スケルトン、コンバーター同梱型)

 エルバンさんからだいたい1000円ぐらいで出ている鉄ペンです。買った時点ですでにコンバーターがセットされているので、すぐにインクを入れて使えるお得な子です。カートリッジも使えるかどうかは謎。

 書き味はお値段相応です。カクノがお値段以上に性能良すぎるんですよ。

 スケルトンなので、ラメ入りや色鮮やかなインクを入れると楽しい子です。ある程度万年筆に慣れてきたあなたにおすすめ。


◯キャップレス

 パイロットさんの万年筆。ペン先の素材はお値段によって金とステンレスがあります。シリーズラインもたくさん出ている、きょうだいの多い子。

 おしりをノックしてペン先を出し入れできるのがとにかく楽。大変便利です。手帳の相棒としてセットすると大活躍してくれます。

 うちにいる子は18金のF。舶来品のFと違い、手帳のカレンダーに漢字で予定を書き込めるほどの細い字が書けます。

 また、18金だけあってペン先がよくしなり、とても柔らかいです。ペン自体に適度な重さもあり、するすると文字が書けます。

 ただ、デストロイヤーとしてはペン先を潰してしまいそうで少し怖いですね。


◯プロカラー500・ほしくず(万年筆)

 セーラーさんの鉄ペン。税抜き5000円。

 四季をイメージしてデザインされたシリーズのうちのひとつで、ほしくずは冬の夜空を表しています。濃紺の軸に金銀青のラメが光る、とても美しい一品です。

 コクーンと同じく、同じデザインでシャープペンシルとボールペンも発売されているので、万年筆には手を出しづらいけど軸は気に入った、という場合はそちらを検討するのも良いかもしれません。

 書き味はさりさり系ですが、インクフローがとてもいいので、入れるインクによってはぬるぬるになるのでは? 書いていて気持ちのいいペンです。

 軸が美しいのでとても人気があります。店頭でお求めの場合は、前もってお店に在庫を確認しておくと良いでしょう。


◯金ペンと鉄ペンの違い

・金ペン

 金のペン先は柔らかく弾力があり、書きやすいと言われています。

 14金と18金があります。18金の方が金の含有率が高く、ペン先は柔らかくなります。

 お値段は張りますが、そのぶん素材だけでなく作りにも手間が割かれているものがほとんどです。買うお店に気をつければ「高い品なのに書き味が粗悪」ということはない。はず。多分。おそらく。

 書き味の良さだけでなく、ニブに施された装飾も見所。ただし手の込んでいるものほどお値段がうなぎのぼりです。天井はありません。ありません……。


・鉄ペン

 ステンレススチールのペンはとにかく安い。プラチナ万年筆さんのプレピーは、なんと税抜き200〜400円というボールペン並みのお値段になっています。

 ペン先は硬く、あまりしなりません。書き味は、カリカリ、サリサリしたものが多いです。ただし、一口にカリカリ系と言ってもメーカーやシリーズによって書き味はまったく違います。そこがまた面白いところですね。

 ニブの装飾はあっさりしているものが多いです。ですが、セーラーさんなど例外もあります。あとカクノのペン先はかわいい。



 以上、ざっくりとしたまとめでした。

 参考になりましたでしょうか。

 この次からは、万年筆を選ぶにあたってのアドバイスや、大変ヲタヲタしい万年筆の楽しみ方などを少しばかりご紹介して、〆としたいと思います。

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