怪談のある高校生活
@amaka
影の無い生徒-1
「すやすや…」
僕の隣で美少女が寝ている。しかも僕と手を繋ぎながら寝ている。
最初に断っておくが、彼女は僕の恋人…ではない。それどころか、僕からしたら、今日が初対面な女の子だ。
それが、一つ屋根の下、同じ部屋で、同じ布団で眠っている…僕は寝てないけど。いやいや、誤解しないでいただきたいのだが、僕はそんなプレイボーイでは無い。初対面の女子とベッドイン出来るような特殊スキルは持ち合わせてないのだ。
「すやすやすや…」
綺麗な寝顔だ。ショートカット気味の黒髪が少し顔に掛かって、妙に色っぽい。僕が紳士じゃなかったら、間違いが起こっていたことだろう。
…いや、単に僕に度胸がないということだけではなく、寝る前に本人から釘を刺されているのだ。
「寝ている私に変なことをしたら、これで殺すからね」と。
手を繋いで寝ている、と言ったけれど、僕と繋いでいる手とは逆の手に、彼女は五寸釘を握っている。一時の欲に流されて、五寸釘で殺されたくはない。
とはいえ、思春期真っ直中の高校2年生男子である僕にとって、この状況は非常に辛い。拷問だ。
もちろん、正直に言えば、こんな美少女と添い寝出来るというのは、手を繋ぎながら添い寝出来るというのはうれしいことなのだが、そこから先に進めないというのはなかなかの拷問であろう。
何故僕はこんな拷問を受けているのだ…。
夜が明けるまで、まだまだ時間があることだし、これまでの経緯を振り返っておこうか。これからの行動を考えるためにも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます