第4話 タイムリミット48時間
もうダメだ…。
夏休みも残り48時間を切ってしまった。
小学校最後の夏休み、今年こそは宿題をお盆前に終わらせよう、そう誓って立てた夏休みの予定。
残念だったのは予定を組み終わった時点で、お盆前だったことだけだ。
「もうダメだ…」
部屋で項垂れること30分。
彼の人生で最も無駄な時間が流れ終わった頃、姉が部屋に入ってきた。
「サトシ、早く風呂に入っちゃいな、アンタ汗臭いよ」
「ほっといてくれ…もう俺…ダメなんだ…」
「うん、知ってる、でも風呂は入って、臭いから」
「臭い、臭い言うなや!! オマエだって香水臭いんだよ」
「香水?じゃないわよ、悪霊が寄ってこないお香の匂いよ、感謝して、私がしっかりとこの家を守っているからこそ、今日も怪我無く過ごせたのよ」
「そんなだから、18歳にもなって彼氏の一人もいないんだよオマエは」
「スピリチュアルアルな出会いは、そう簡単には起きないの、魂で繋がる運命の男性は、この国の人とは限らない…ワールドにグローバルな視点で待っているの私」
「うん…世界に飛び立てよ…いいからさ…でも、家から1歩でも外に出ないと世界には羽ばたけないぜ」
しぶしぶ引きこもりの姉に従い、風呂に入って部屋に戻ると
ベッドの上に黒い本が…『誰にでも出来る召喚法』
姉の的外れな優しさに切ない涙が止まらないサトシであった。
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