止まって見える、流星

 夜を横切って、幾多の流星が飛んでいく。

 流星というのは、そのほとんどが大気圏で燃え尽きてしまうのだそうだ。あの綺麗な星が流れるたびに、1つの命が消えていくんだ。

 そんな中。

 止まって見える、流星があった。

(何だ?)

 と、僕は思った。

 まるで流星がこちらを向いて、僕に何かを告げようとしているようだ。あの流星は、何故止まって見えるのだろう?

(そうか)

 僕は、気づいた。

(あの流星は、近づいてきているんだ!)

 その瞬間、僕は心臓を撃ち抜かれた。

「おい、新人!」

「クソッ、衛生兵! 衛生兵を呼べ!」

 銃を手にした男たちが、塹壕の中で僕を囲む。かすんでいく視界の中で見上げた空では、まだまだ星が流れ続けている。

 流星が僕に告げたのは、死だった。

 

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