第06回 鉄道高架化の必要性。02

 今回も前回同様、鉄道高架化の必要性について説明します。

 前回は、設備改良や違法駐輪について語りました。

 今回は違法駐輪の続きと電気代、そして街の一体化などについて語ります。


 前回で指摘した通り、違法駐輪は高架によって減少して、その撤去費用が削減する事が容易になる事について述べました。

 又、調布駅では地下化によって費用が上がっただけでなく駐輪場建設費が必要になる事から結果的に失敗してしまいました。

 その結果、歩道に違法駐輪が集りたか、歩行者が歩きにくい街に変貌してしまいました。

 自転車の問題として、自動車より交通弱者とは言え、歩行者を轢き殺す能力を持っている事はご存知ですか?

 特に男子学生、おばちゃん、高齢者の自転車乗りが通行中の高齢者等を轢き逃げする事件が後を絶たないからです。

 また、違法駐輪によって歩行者や自動車が通行しにくい環境が整える危険性があり、これが原因で事故を誘発してしまいます。

 これらの要因として、雨に当たらない駐輪場が高架下にない事、また駐輪場を単に増設しても目的地の近くに歩行者や車の通行を妨害する程の自転車が大量に放置されている事を考慮すると高架化する事により違法駐輪は大分一掃され、歩行者が歩きやすい街になります。

 事実、石神井公園駅や浦和駅、洛西口駅、姫路駅などでは違法駐輪が一掃され、歩行者に優しい街になりました。

 又、これらの街の一体化により回遊性が向上し、駅の反対側に行く人も増加、新規道路建設費も安上がりになり、無電柱化も早期に進められるなど自動車にとってもプラスに成り得、結果的に街の魅力にも向上します。

 そういう事を、考えると街の魅力を増やすには違法駐輪削減が必要となり、更に高架工事は人口減少や高齢化社会だからこそ逆に必要だと思います。


 つまり、になります。


 高架によって高齢者は駅改札外の階段などを使用せずに通行可能になり、また改札口の位置によるが、多くは1階で改札に入れるのでそこからホームへ向かう階段やエスカレーターを使うだけで、電車に乗れるので高齢者が使いやすくなります。

 又、下手に高架を中止して福祉を整備するより、高架化して歩行者が歩きやすい街に目指していく方が、よっぽど福祉になります。


 又、高架を中止しても福祉に回せるかどうかも怪しいと思います。

 高架化をせず、橋上駅舎やペストリアンデッキを作る事で逆に歩きにくい街になるだけでなく、福祉予算と交通インフラ予算は基本的に別々になっているので根本的にそれは的外れの意見となります。

 更に、福祉予算は短期では利益になりますが、長期ではあまり効果が望めない点も注意が必要です。

 故に、交通インフラに関しては補助金をばら撒くより、減税して整備を進めた方がよほど、利益が出ると思います。

 又、違法駐輪削減によりその費用が福祉に回せる事を考えると鉄道の高架化は積極的に進めた方が利益に成り得ます。


 そして、最後に電気代削減について説明します。

 鉄道高架化と地下化の決定的な違いは、電気代の高さの違いです。

 何故なら、高架化は夜間のみ街灯を点灯するのに対し、地下はほぼ毎日、点灯する必要があります。

 また、高速道路のトンネルなどと違いは駅があり、その移動には多くのエスカレーターが必要されている事と地下照明が多く必要としているからです。

 つまり、地下化は電気代や維持費などを考慮するとあまり良い立体化といえず、下北沢駅や渋谷駅みたいに利用者が急激に減少するなど寧ろ街に悪影響が出てきます。

 また、橋上駅舎についても電気代が削減できるのか怪しく、橋上駅舎の場合、踏切の点灯や電車のブレーキなどで却って電気代を上げる確率が高くなります。

 更には橋上駅舎と地下駅には改札外のエレベーターやエスカレーターなどが必ず必要になるなど、電気代削減につながりません。

 皆さんは電力を一番使用するのは電源の点灯や消灯(ON/OFF)である事をご存じだろうか?

 筆者は既に知っていたが、電源を頻繁に点灯や消灯しているとそれだけで多くの電気を必要として消費電力を上げてしまいます。

 つまり、電源を付けたらつけっぱなしにした方が電力を減らす事が出来るのです。

 また電車の場合、ブレーキが一番電力を使うので基本的に優等列車程、古い車両が使われるのはそこにあります。

 高架化することでブレーキ使用頻度が減少するので結果的に電気代削減になります。

 この様にみると、高架化の方が地下化や地上駅より利点が大きい事が分かります。

 勿論、高架には日照権などの欠点がありますが、それを補える程の利益があると筆者は思います。

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