第259話 二人の人魚姫はお怒りのようです……(25)

『私(わたくし)はこんなにもあなたのことが好き~。愛して~。尽くしているのに~。それも~? 亜紀と言う名の女性の方がすきなのですか~?』と。


 シルフィーヌは、亜紀ちゃんに対して、こんなにも嫉妬心を募らせながら。夫の僕へと不満を漏らしていた。いたはずなのだ。


 なのに? 僕の妻は急変した。したから可笑しい。可笑しい筈……。



「別に可笑しくは御座いませんよ。あなた~」


 僕が自身の脳裏で、シルフィーヌへの猜疑心を思い。募らせていると。


 こんな言葉が返ってきた。


「えっ? じゃ、何でシルフィーヌは、急に亜紀ちゃんを僕の妻にしたい。迎えたいと言う想いに共感、納得をしてくれた訳?」と。


 僕がシルフィーヌへと問いかければ。


「昨晩から朝にかけて……と、言うか? 亜紀さんが家の一族。人魚の女性だと私(わたくし)も知らないし。あなた自身も私(わたくし)が何度あなたに問いかけても言わない。告げない……。亜紀さんの存在を彼女がこの家、屋敷にくるまでは、隠し通していたではないですか~。違いますか~? あなた~?」と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る