第227話 二人目の人魚姫?(7)

「あ、貴女は誰? 誰なの~?」と。


 全裸で僕の前に大人しく座る。座っているシルフィーヌへと亜紀ちゃんは驚愕、動揺をしながら声をかける。かけるのだよ、だけではない。ないのだ。


 だって亜紀ちゃん、驚愕した表情から。険しい表情──。怪訝な表情へと移り変わりながら僕の方を凝視──。


 それも大変に恐ろしい顔と目、瞳で僕のことを睨みつけながら。


「新太さん誰? 誰なの? あなたの前にいる全裸の女性は……。それと? どう言う関係なの? あなた? あなたの前にいる裸体の女性は……?」と。


 大変に低い声色、というか? 亜紀ちゃん、彼女は、大変に憤怒──怒りをあらわにした重たく荒々しい声音と口調で、僕へと訪ねてきたのだ。


 だから僕は、『か、彼女……。僕の目の前にいる女性はね……』と、しどろもどろな口調で、従妹の亜紀ちゃんへと説明を始める。


 始めると、いうことはない。ないのだ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る