第110話 人魚の伯爵令嬢さまは押しかけ女房?(2)

 まさに般若! 鬼婆! まさに人魚と呼ばれる物の怪の姫さま、伯爵令嬢らしい顔つき……。


 だって人魚の姫さまなのだから、童話に出演するヒロイン。プリンセスマーメイドのように本当はね。大変に麗しく整った美しい顔立ちをしているのにも関わらず。


 余程僕が、後先考えず、考慮もしない。


 そう、残された人達のことも思案しなで自害──。首吊り自殺をおこない他界したことが許せないのだろう彼女。姫さまね?


 だから僕に叩く、殴るの、荒々しい暴力をおこない鬱憤晴らし。と、いうか? 不満を漏らしながら暴力へと訴えてかけてくる人魚の姫さまは、己の美しい顔の眉間に皴を寄せ、強張らせ、怪訝な表情で。


「バカ! バカ! この意気地なし~! 私(わたくし)の夫~。主人~。殿なのだから~。しっかりしなさい。あなた~。お腹にいる子にも申し訳がたたないでしょうに~」と。


 平手で『パチン!』と。


 握り拳で『ボコン! ガン!』と。


 僕に荒々しい行為を続けながら不満を呟き漏らしてくる、ではないよね?



 僕は人魚の姫さまが。今僕へと告げてきた台詞、言葉を聞き、驚愕をするのだ。


 まあ、当たり前だけれど。こんな感じでね。


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