第18話 勤め先を辞め変えた僕……(2)

「……父さん? 会社のことがそんなにも気になるようならば、僕が今勤めている会社に辞表を提出して辞めるよ。そして、父さんの会社。そう、家が代々続けてきた商い。仕事の方を僕が手伝うよ……。だから父さんは病院でゆっくりと入院。今迄の疲れをとり、癒すぐらいつもりで安静。入院を続けれいいよ……」



 そう、父が救急車で病院へと運び込まれた翌日……。入院先の部屋にベッド上で、幼子が我儘を言うような振る舞いで。今直ぐ退院をさせてくれと先生や看護師さん達へとせがみ暴れる父へと僕が、彼の我儘と荒々しくなっている気を落ちつかせるために漏らし告げた台詞がこれなのだ。




 でも我が家の父は。


「で、でもな? 新太? 会社の仕事内容によっては、儂にしか解らない事もある多々ある……。それに? 今迄家の会社の事業内容……畑の違う業種の仕事をしていた新太。お前に? 社員の者達が色々と問いかけてきた時に、新太では対処ができないことが多々おきるはず……。だから新太では無理だよ……」と。


 彼は息子の僕が告げた台詞と決意に対して不安のある顔色で。父が経営……というか?




 我が家が代々経営をしてきた業種の商いと、僕が今迄勤めていた会社の業種。畑違いだから僕では父の代わりは無理だと否定をしてきたのだ。




 でも? 家の父にそんなことを言われるのは当たり前のことだから。僕は父の台詞に対して気にもとめてない様子で再度自身の口を開いたのだ。


 こんな感じでね。


「あっ、それならば? 父さんの会社には従妹の亜紀ちゃんがいるから。彼女に素直に訊ねることにするよ。わからないことは全部……。だからさ? 父さんは何も心配をしないでゆっくりと入院……。養生をしてくれればいい……。どのみち僕が、毎日のように病院へと訪ねてくるのだから。父さんはその都度、気になることがあれば僕に訊ねるようにすればいいだけだから……」と。

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