第12話  父のわがまま……。(4)

「大島(だいどう)さん、何を言っているのですか?」


「無理に決まっているでしょう。大島(だいどう)さん。いい加減にして、大人しくしてください」


「そうですよ。大島(だいどう)さん。先生達の言う通りです。大人しくしてください……」と。


 荒々しい台詞と行為を、父のお見舞い……。様子と世話をしにきた僕へと見せるのだ。白装束の三人……。いや、四人だった。


 そう、ベッドの上で、強引に起き上がり。強引に退院をしようと試みる。幼子のような我儘行為にでている家の父を、白装束の四人で力強く強引に押さえつけようと。


 ……だけではないか?


「気を落ちついて、大島(だいどう)さん。暴れてはいけませんよ。しっかりして……」


「大島(だいどう)さん、もう少し、色々な検査をしないといけないので、今日の退院と言うのは無理です……」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る