隣のクラスのやつが破格にかわいい
renovo
プロローグ
「だりい」
「宿題めんどくせー」
僕はクラスの派手なやつらが大きな声で会話しているのを聞いている。
机の上にはうずたかく積もったプリントの千切りが乗っていた。
「ねえこの間バスケ部の先輩とファミレスいったんだけどー」
「えー。まじでー!!」
クラスの女子たちはそんな会話をしている。
僕には関係ない。僕には関係ない。
いっつもそうだ。
いつだって僕はそんな会話の蚊帳の外。
そもそも僕に友達なんかいないのだ。
僕は頭の中で妄想をしながら廊下を歩いていた。
「冷夏~、宿題やった?」
「やってないよ……」
僕は高い声にはっとなる。
ふいに横を見ると目がくりくりして細身の少女が僕のことを見ていた。
「あのっ」
突然小さな声でその少女は僕に声をかける。
「ちょっとお話があって」
僕は突然話しかけられてどきまぎしていた。周りのやつから見たらさぞかし奇妙に見えるだろう。
「何?」
ぶっきらぼうに僕は言う。
「放課後待ってますから」
「え?」
僕が聞き返すと少女は僕の瞳を恥ずかしそうにずっと見ていた。
「音楽室に来てください」
少女はかすれたような声でそう言った。
「いきなりどうしたの? 友達?」
その少女の友達は不思議そうにそういう。
「ちょっと用があってね……」
困ったように少女はそう言った。
「いきなり何だよ?」
僕はそう言った。
「とにかく、来てください」
少女はそう言って向こうへ行ってしまった。
僕は突然美少女に話しかけられて、しばらくの間茫然としていた。
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