意味はないけど、書いてみよっかなって。
@ayaka0620
旅番組の茶色
平日の昼間、または土日の朝にやってる旅番組。
芸能人のリポーターが、田舎で農業とか、漁業に携わる家族のお手伝いをした最後に、お礼としてそこのお母さんがその地域に伝わる郷土料理や得意料理を振る舞い、リポーターがご馳走になるというお決まりの流れ。
こういうの多いよなぁ、と思いその日もテレビを眺めていた。そしてあることに気づく。
田舎に行く旅番組で出てくる料理のだいたいが茶色だ、と。
そこでふと思ったのである。
「茶色」ってもしかして愛の色なのかもしれない、と。
だいたい最後に出てくる郷土料理が茶色なのは、それらが煮込み料理、もしくは炊くだけの簡単な料理だからだ。
切って、放り込んでおしまいの料理は大量に作りやすいし時間も早い。合理的なのである。
でもその茶色にはいろんな色が混ざっている。
お出汁をとった薄い黄色。
黄金色のみりん。
豪快に醤油がお湯と混ざった焦げ茶色。
味噌を入れたら、稲穂の色が雲のように広がる。
そして最後に整えるためのまっ白な、少量の塩や砂糖。
旅番組のご馳走の茶色には、いろんな茶色がある。
濃い茶色。薄い茶色。
濁った茶色。透き通った茶色。
それは寒い中、指先まで真っ赤にして働いてくれた夫を思いながら、
夢と希望に満ち溢れ、家の中を明るくしてくれる我が子の成長を願いながら、
あのお母さんたちが、最後のご馳走を作るのだ。
その全てがきっと芳しいのだろう。
そんなの、美味しくないはずがない。
あぁ、お腹がすいてきた。
茶色には、愛が混ざっているのだ。
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