第4話
なんでだと思う?
なんで私は断れないんだと思う?
なんで辞められないんだと思う?
それはね、私の居場所だからだよ
私の唯一の居場所だからだよ
高校に入るとき、中学の同級生全員に嫌われた
仲良く楽しく中学生時代を送っていたのに卒業した途端、嫌われたんだよ
それから人が怖くて高校入ってすぐには友達が作れなくて、
高校でも笑い者にされて、家庭ではうまくいかなくて、
どこにも居場所がなかった私にやっとできた居場所だったんだよ
バイト先に行けば必要とされて、楽しくて仕方なかった
こんな私でも生きてていいんだ、って思った
だからこんな私でも必要としてくれるなら、って
こんな私でも役に立つなら、って
こんな私でも人の負担を軽くすることができるなら、って
そう思ったら断ることができなくなっていた
そしていざ辞めるって考えるとまた居場所が無くなるんじゃないかって
また独りになってしまうんじゃないか、って怖くなって
辞められなくなる
正直この仕事は好きだし、一緒に働いてる人のことも好きだ
だからこそ辞められない
そう、もう入ったら抜け出せなくなってしまう
「アリ地獄」
のように
ブラックバイトは「アリ地獄」 まる @marumaruchan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
前へ進む友達と後ろへ戻る私/まる
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 2話
大人たちへ向けて/まる
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 4話
高校教師に恋をした/まる
★11 エッセイ・ノンフィクション 完結済 27話
一歩踏み出す勇気/まる
★1 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます