第30話 【短歌と俳句】 テーマいろいろ

【俳句】

 藤棚や

 見惚れ誘われ

 惑い夜


 蝉時雨

 夕立を搔き消す如し


 衣更

 袖から伸びる

 腕白し





【短歌】

 このシャツさ 去年君がくれたやつ

 今年はこれ着てどこに行こうか


 捨てたくない 高校指定のジャージもう 着る機会は無い 無いのだけれど




【解説】

 少し前につくった俳句も合わせてまとめてどん、です。


 まず、藤棚の俳句。

 もう季節は過ぎたけど、藤花が咲いてた頃につくった俳句です。藤の花って垂れ下がって、風に揺れるのが美しいなぁと思います。なんだか大人っぽい印象です。咲き誇る一面の藤棚、揺れる花に見惚れ、誘われるようにあちらこちらと見入って惑され、気づけば夜になっていたよ。と。あともう一つ、藤の花を見ているうちに空の色も刻々と変わっていって、そんな時間経過の中の藤もまた美しいなぁ、と。午後の明るい時間から、徐々に日が傾いて夕陽に照らされる藤、日が落ちて夜の藤花、それぞれに魅力があって惑わされるね、それくらい美しい藤棚だね、と、そんな意味合いです。

 最初は中七を「花揺れ見惚れ」にしていたのですが、藤といえば揺れる花だからと思い直し、最後の最後で揺れるという言葉を外してみました。

 見とれ、より見惚みほれと読みたいです。


 次、蝉時雨の俳句。

 まだ蝉の声は聞こえませんが、蝉時雨を使って夏の俳句をつくりたかったんです。ありがちな感じですね。蝉時雨が夕立の音をかき消すくらいの勢いですよ、夏ですね、という内容です。


 次、衣更ころもがえの俳句。

 プレバトで次週のお題が衣更だったので便乗しました。

 長袖から半袖に衣更してみんな腕を出しますよね。その腕ってまだ日に焼けてないから白いんです。まっさらな腕の眩しさを感じつつ、これからたくさん思い出作ってこんがり焼けてくんだろうなっていう夏への期待感を出したかったのだけれども、難しいですね。



【短歌】

 まず、シャツの短歌。

 また君がでてきちゃった。すーぐ君を出してしまう。これも衣更がテーマです。去年彼女にもらったシャツを着て今年はどんな思い出作ろう、というそんな内容です。なんのひねりもありません。


 次、ジャージ。

 これも衣更がテーマですね。タンスの奥に、未だにずっとしまってある高校指定のジャージ、捨てたくないです。もう着ない服ですよ。わかってるけど、それでも捨てたくない。ずっと取っておきたい。自分の一部みたいに思えて捨てられないんですよねー。着ることは無いけどさ。という内容です。

 モンパチ聴いて思いついたよ。モンパチ、『月灯かりの下で』も、いいですね。うんうん。

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